岡山市内の公共交通が大きく変わろうとしています。きょう(30日)、岡山市とバス事業者らによる協議会が開かれ、路線再編の素案が示されました。素案には重複している路線の統廃合や車両の小型化などが盛り込まれています。

全国的にも多い9つのバス事業者が路線を持つ岡山市。

コロナ禍以前から赤字が続き経営が苦しい状況の中で、岡山市とバス事業者らによる公共交通の維持を図る協議が行われてきました。

きょう(30日)は岡山市から公共交通計画の素案が示されました。そのキーワードの1つが…

(大森雅夫市長)「路線の階層化による持続可能な公共交通ネットワークの構築」

複数の事業者で運行し供給過多になっている区間では路線の統廃合を行い、その分を他の路線にあてること。

幹線と支線に分け、支線については小型車両を導入することでコスト削減に、さらには生活関連施設にも延伸することで利便性向上を目指したいとしています。

この計画について参加者は…

(岡山電気軌道 小嶋光信 社長)「計画に対しては基本的に賛同したい。

やはり岡山の特殊性として公共交通に対する割合が少ない。

利用促進というのは一番大きな前提になる」

計画についてはおおむね賛成だが、今後は公共交通をいかに利用してもらうかを考えるべきだ」という意見も出されました。

(呉工業高等専門学校 神田佑亮教授)「今回の全般の計画の中で、利用促進をどうするかという記述がアバウト。そこをしっかり練っていかないと」

一方で、路線の集約、統廃合がうまくいくのか、懸念を持つ事業者も。

(宇野自動車 宇野泰正社長)「結果として1社になるのは良いことだけど誰がそうするのか。A社、B社が走っていて、B社どけろっていうのを誰が言うのか」

(大森雅夫岡山市長)「様々な議論を抱えていると思いますが、それを率直に受け止めさせていただいて、我々としてできる範囲はどこまでなのか、ひとつひとつ考えて予算を考えたい」

このほか、運賃の見直しや利用環境・業務環境の改善なども盛り込まれました。

岡山市は、来年1月には具体的な地域公共交通計画をまとめる方針です。