今年4月に開かれた「G7倉敷労働雇用大臣会合」で、岡山県のとある祭りが各国大臣に紹介されました。倉敷市の戸島神社に伝わる「乙島(おとしま)祭り」です。クライマックスには神社の境内に12基の太鼓台が集う勇壮な祭りです。

「わっしょーい」

重さ800キロの太鼓台が、170段の石段を登ります。

御船や千歳楽、だんじりなど境内に集った12基の太鼓台。天に差し上げ奉納します。倉敷市の戸島神社に伝わる「乙島祭り」です。

岡山県倉敷市の南西、高梁川の河口に位置する乙島地区。かつてこの場所は瀬戸内海に浮かぶ小さな島でした。陸続きになったのは江戸時代のこと。新田開発のため干拓が進められたのがきっかけです。

その乙島に鎮座する戸島神社。700年の歴史があるとされるこの神社で、毎年10月の最終土曜日と日曜日に行われるのが、戸島神社秋季例大祭、通称「乙島祭り」です。

祭りに人生を捧げてきたという猪木章夫さんは、祭りを支える地区の青年団支部長として、15年の長きにわたり奮闘してきました。しかし、今年を一つの区切りと決めました。

(猪木章夫さん)
「もう『支部長をやる人がおらんのやったらやめようか』っていう話になっていたんで」

一方、新たに祭りの輪に加わる、中学1年生の桒原有吾さんです。

(桒原有吾さん)
「やっぱお父さんが出ていると、格好いいんですよ」

桒原さんは、乙島出身の父親の影響で幼いころから祭り好き。クッションを太鼓替わりに練習し挑んだ初舞台です。その結果は?

4年ぶりに乙島の町を連なって練り歩く、12基の太鼓台です。

祭りの輪を広げようという新たな動きも出ています。様々な思いが、古の島に伝わる祭りで一つになります。

(スタジオ)
この「乙島祭り」を追いかけたダイドーグループ日本の祭り「古の島の祭りを継ぐ者たち~倉敷乙島祭り」は、あす(12月2日・土)午後4時から放送されます。