中国の習近平国家主席はフランスのマクロン大統領と電話会談を行い、経済分野などでの一層の関係強化に意欲を示しました。

中国外務省の発表によりますと、習近平国家主席は20日午後、フランスのマクロン大統領と電話会談を行いました。

それぞれの政府の発表によりますと、会談で習主席は「今年4月のマクロン大統領の訪中が成功して以降、両国関係は多くの成果を得ている」と指摘。「伝統的な友好関係を継続し、中仏関係を新たな段階へと推し進めるべきである」と述べ、気候変動や経済分野などでの一層の関係強化に意欲を示しました。

また、「より多くのフランスの製品や企業が中国市場に参入、投資することを歓迎する」と呼びかける一方、「中国企業の対フランス投資に公平で差別のないビジネス環境を提供することを希望する」と注文をつけました。

これに対し、マクロン大統領も「両国が戦略的な意思疎通と協力を維持することは大きな意義がある」として、今後、さらにハイレベルの交流を強化する考えを示しつつ、「経済分野での関係強化には、中国市場で外国企業が公正に競争できる環境が必要だ」と述べました。

ウクライナ情勢についてマクロン大統領は、ロシアと北朝鮮が軍事協力を拡大していることに改めて深い懸念を表明し、中国に対してウクライナとの関係を保つよう求めました。遠回しに中国のロシアへの接近を牽制した形です。

両首脳は、イスラエル・パレスチナ問題についても意見交換し、「情勢のさらなる悪化、特により深刻な人道危機の発生を回避することが不可欠である」という認識で一致したということです。

中国政府としてはアメリカとの対立が深まる中、ヨーロッパ諸国を切り崩し、中国側に引き寄せたい狙いがあるものとみられます。

その中でもマクロン大統領は今年4月に経済界の代表を引き連れて中国を訪問。習主席と会談して親密な関係を築き、中国との関係を強化する姿勢を見せていて、今回の電話会談もこうしたフランスとの連携強化を再確認した格好です。