プロ野球のドラフト会議が26日、都内のホテルで行われ、3球団(ヤクルト、西武、ソフトバンク)の指名が競合した武内夏暉(左投手・国学院大)は抽選の末、西武が交渉権を確定した。運命の瞬間をチームメイトと共に母校で迎えた武内は会見で「指名されるまではとても緊張していましたが、西武に決まってとてもホッとしています」とその胸中を語った。

「ドキドキしていたが、西武に決まった瞬間はとても嬉しかった。3球団(からの指名)は予想していなかったのでとてもびっくりしている。(西武は)松井監督をはじめ、チームの雰囲気がいいと思うし、先発投手陣がとても豊富だと感じている」

松井監督からは『期待している』とさっそくテレビ放送を通して、メッセージが送られた。
「とても嬉しかったし、西武で頑張ろうと思った。即戦力として期待されていると思うので一年目から開幕ローテーションを目指して行きたいと思う。アピールポイントは左右(打者)関係なくインコースに投げ込める制球力と多彩な変化球だと思う」とさっそくプロ入りへの意気込みを語り、監督からのコメントに応えた。

一番感謝したいのは両親だという。
「ここまで来れたのも両親のおかげであり、これから恩返しをしていきたいと思うので、これからは活躍を見守ってくださいと、伝えたい」

強打者の揃うパ・リーグでも「ソフトバンクの柳田選手と対戦してみたい」と臆することはない。「プロに入ってからは長い現役生活を送っていきたいと思うし、日本を代表する選手になりたいと思っているので、一年目から即戦力として頑張りたいと思う。今年のWBCで日本を代表して戦うのを観て、自分もその舞台で活躍したいと感じた。一年目以降はチームの顔となれるような選手になりたい」とプロでの目標は大きい。

そして20時すぎに、松井稼頭央監督が指名挨拶に訪れた。
交渉権確定のくじを手渡した指揮官は「かなり緊張しましたけど」とその瞬間を振り返った。武内については「ナンバーワンの力だと思っていますし、実際、こうしてご縁をいただきましたので是非。ライオンズは本当に若い投手でいいピッチャーがいっぱいいて、いいライバルとして、また何年後かにはチームのエースとして、将来的には日本を代表するピッチャーとして成長してもらえるように、こちらも球団をあげて、サポートしていきたい」とその期待の大きさを語った。

武内自身も「セールスポイントは左右関係なくインコースに投げ込めるストレートと多彩な変化球です。この持ち味を生かして、1年目から即戦力として活躍したいと思います」と1年目からの活躍を誓った。そして、交渉権確定のくじに「サインもかいていただいてとてもうれしいですし、目の前にあってとても感動しています」とさらに喜びを膨らませた。

松井監督は武内の印象を「映像とかは見ていましたけど、男前!男前」と称え、「プロはケガをしないという事が大きくなって来ると思うし、そこさえ慣れてくれれば何年後かにはエースとして、将来的には日本を代表するピッチャーとしてね、期待はしています」と大きく期待を寄せる。

武内は目前の指揮官を「スター性のある方だなと思っていて、自分もそのような人に近づけたらなと感じています」とその憧れを語った。さらに松井監督との共通点を聞かれると「甘党というところ」と答え、松井監督も「おーーそこね。僕も好きなんでね。初勝利の時は甘いものをプレゼントしますので、好きなものを言ってもらえれば」とさっそく盛り立てた。

■武内夏暉(たけうち・なつき) 投手
2001年07月21日生まれ22歳、福岡県出身。身長185cm・90kg。左投・左打。八幡南高~国学院大。制球力に優れ、安定したピッチングを見せる左腕。最速は153キロ。2年秋の明治神宮大会2回戦では8回二死までパーフェクト投球を披露。今秋は好投手がひしめき合う東都で最優秀防御率(0.97)に輝いた。