老朽化によって解体が検討されていた旧国鉄の特急で使われた食堂車。このほどクラウドファンディングが成功し鉄道テーマパークへの移設・保存が決まり、関係者が喜びを分かち合いました。
【外装・内装の画像74枚】国鉄サシ581形食堂車を詳しく見る
「懐かしいですねー」23日は所有者の親族で、現在関東に住む吉岡正樹さんと「583系食堂車保存会」の梅原健一代表が車内で跳ね上げ式のテーブルやブラインドなどを触りながら保存が決まったことを喜んでいました。
この食堂車は旧国鉄時代に特急で使われ青森―上野間などを走り引退後の1990年から青森県八戸市で保管されてきました。吉岡さんは八戸市で福祉施設を経営していた叔母の豊山クニさんが車両を購入する際に相談を受けたといいます。
食堂車の所有者の親族・吉岡正樹さん
「食堂車を買うんだけど青いのと赤いのとどっちがいい?って聞かれて咄嗟に私は青って答えた。特急はつかりが電車で走り始めたのがこの電車で当時だと多分はつかりっていうとこの色の電車を思い浮かべる人のほうが多いのかなと。ある日(八戸に)帰ってきたら本当に買ったんだっていう状態だった」
しかし、製造から50年が経過。老朽化で解体が検討されていました。そこで立ちあがったのは大の鉄道ファンだった梅原さんでした。
全国で唯一、当時のままの形で残る貴重な車両を守るため保存会を設立。車両を無償で譲渡してもらい千葉県にある鉄道のテーマパークへの移設を目指してクラウドファンディングで寄付を呼びかけ2023年8月に全国1264人の支援者から2082万円が集まり見事成立。
23日は関係者が集まって「第三のレール」へと進む食堂車の移設に向けた安全を祈りました。
583系食堂車保存会・梅原健一代表
「国鉄から八戸の地、そして千葉県のポッポの丘と再び羽ばたく時がまもなくやってくる。本当にうれしい」
昭和の歴史や文化を伝える貴重な資料となる食堂車は年内の移設を目指していますが、冬期間のアイスバーンではトレーラーが走れないため