16日午後、北アルプス黒部峡谷の登山道でツアーに参加していた70代の男性が斜面を滑落し、山岳警備隊が捜索にあたりましたが見つかっていません。
警察によりますと、16日午後4時40分ごろ、北アルプスの黒部峡谷、標高950メートル付近の登山道にいたツアーガイドの男性から阿曽原温泉小屋に「滑落者が出た」と携帯電話で通報がありました。
通報を受けて阿曽原温泉小屋で秋山シーズンの警備にあたっていた富山県警の山岳警備隊員2人が現場に向かいましたが、登山道の下の斜面には樹木があって視界が悪く、呼びかけにも応答がないため、日没をむかえ救助活動を中断しました。
警察に提出された登山届によりますと、滑落したのは大阪府在住の70代の男性とみられ、2日間の日程で訪れていました。
警察によりますと、現場は阿曽原温泉小屋から南東約600メートル付近で、黒部峡谷の左岸の絶壁を「コ」の字型にくりぬいた道幅70センチから1メートルのいわゆる「水平歩道」と呼ばれる登山道にあたります。
滑落したとみられる男性は、ほかにガイド2人、登山者4人の計7人の登山ツアーで訪れていました。富山県警は17日午前6時から富山県の消防防災ヘリを出動させるほか、山岳警備隊も地上から捜索活動を再開する予定です。