開幕したクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ。先発にサウスポーを並べるDeNAを広島カープが攻略するカギは、右バッターが握っているようだ。その1人で、新井貴浩 監督も “ファーストステージのキーマン” として名前を挙げた 末包昇大 選手の成長の舞台裏を取材した。

ドラフト6位、27歳の遅咲きスラッガーは、チームのラストスパートに大きく貢献しました。

9月30日、6試合連続のスタメン起用に応え、自己最多の11号ホームランを放ちます。このスイングには 末包昇大 、プロ2年目の成長が凝縮されていました。
65試合 11本塁打 打率.273

広島カープ 福地寿樹 2軍打撃 兼 走塁コーチ
「しっくりくる、これっていうものが、彼の中でたぶん見つかったんだと思います。たぶん、そういうことが継続して今、こうやっていい姿でいい成績を残しているんだと思います」
「同じことを繰り返した打席」去年のくやしさをバネに

1年前、末包はくやしさの真ん中にいました。この日(去年8月10日)、代打で登場した末包は、外のボール球に空振り三振―。この打席が1軍ではシーズン最後のものとなってしまいました。

広島カープ 末包昇大 選手
「同じことの繰り返しで、やっぱり(2軍に)落とされた理由がそういった打席の内容だったので、また、それを同じことの繰り返しでやっちゃったなっていうのはありましたし。たぶん、もうそこで打てなければ、1軍は終わりだろうなと思った場面での同じことだったので、それは本当にくやしかったです」

188センチ・110キロ。社会人野球・大阪ガスの時代から荒削りながらも、そのパワーでキャリアを培ってきました。ただ、長打を求めるあまり、力んでしまうことがあったのも事実です。

広島カープ 新井良太 2軍打撃コーチ
「ぼくもそうだったんですけど、“力があるバッター” なので、いかに打席で “力を抜く” ことにフォーカスをしようということは言わせてもらいました」