イスラエル軍はイスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザの北部にいる市民およそ110万人について、24時間以内に南部へ退避すべきと国連に通告しました。

まもなく1週間となるイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘。双方の死者は増え続けています。こうした中。

国連
「イスラエル軍が、ガザ北部にいるパレスチナ人を24時間以内にガザ南部に退避させるべきだと伝えてきた」

イスラエル軍から突然、退避通告があったのです。

イスラエル軍 広報官
「ハマスと関連する軍事目標への攻撃を続けるため、一般市民に退避を呼びかける」

しかし、ガザでは空爆により、これまでも民間人の死者が出ています。

現地で人道支援を続ける日本人からはこんなメッセージが。

日本の人道支援関係者
「ガザは今、地獄です。逃げる場所もないのに逃げろと言われて、逃げろと言われても空爆は止まらなくて。一般市民はどこにも行く場所がありません」

今回の通告がガザへの地上侵攻の兆候との見方もありますが、ロイター通信によると、ハマス側は「偽りのプロパガンダだ」と主張、市民の退避による混乱の拡大を警戒しているものとみられます。

こうした中、きょう都内で会見したパレスチナ自治政府の大使は。

駐日パレスチナ代表部大使 ワリード・シアム氏
「いまから空爆するので退去しろと言われて、受け入れられますか?」

「パレスチナの人々を追放し、ガザを完全に破壊しようとしている」とイスラエル軍の退避通告に反発しました。

また、AP通信によると、ハマスの軍事部門は13日、“イスラエルによる攻撃で人質として拘束した13人が死亡した”と主張、この中には複数の外国人が含まれるとしています。

これに先立ち、同じ会場で会見したイスラエル大使は。

イスラエル ギラッド・コーヘン駐日大使
「幼い子どもがいったい何をした?凶悪な所業だ」

“7日、ガザとの境界付近のイスラエル南部の集落がハマスの戦闘員の襲撃を受けた際、乳児が殺害され焼かれた”と主張。“国際社会は過激派組織「イスラム国」と同様にハマスの残虐性を非難すべきだ”と強調しました。

一方、イスラエルからヨルダンに移ったアメリカのブリンケン国務長官は、さきほどからパレスチナ自治政府のアッバス議長と会談。

ハマスに拘束された人質の解放などについて進展があるか、注目されます。

こうしたなか、ガザ地区で人道支援に当たる国境なき医師団と赤十字国際委員会が13日、都内で会見を開き、イスラエル軍とハマス双方に、国際人道法の遵守と「無差別攻撃の即時停止」を訴えました。

国境なき医師団日本 村田慎二郎事務局長
「国際人道法の遵守、医療施設、医療従事者を攻撃しない、安全な患者搬送ができるように、ということろを強く訴え参りたい」

国境なき医師団の村田事務局長によりますと、現在、ガザ地区では日本人3人を含めおよそ300人が活動しています。戦闘の激化を受け、麻酔薬や鎮痛剤などの物資が不足しているとし、2か月分の緊急備蓄をガザ地区北部の病院に提供したものの、1週間経たないうちに底をつく見通しで「救えるはずの命が救えなくなる」と危機感を示しました。

また、イスラエルによるガザ地区の封鎖の影響で、追加の支援物資が供給できないほか、医療従事者やボランティアも現地に入れていないと話しました。

こうした状況について、赤十字国際委員会の榛澤駐日代表は、「民間人の安全や人道支援はいかなる時にも確保されなければならない」と訴えたうえで、イスラエル軍とハマス双方に対し、無差別攻撃の即時停止と人道回廊の設置を呼びかけました。