2023年スノーボード世界選手権ビッグエアで日本人初の金メダルを獲得した期待の星・長谷川帝勝(はせがわ・たいが)選手。10月21日に開幕するスイスW杯へ向け、自身の原点ともいえる場所・富山県立山町にある「立山キングス」で大技に磨きをかけています。

富山県立山町の立山キングスは、雪がふらないオフシーズンでも本格練習ができる国内では数少ない専用施設で、全国からスノーボーダーが集まります。10日、そのなかに、2023年3月の世界選手権ビッグエアで17歳にして日本人初の優勝を果たした長谷川帝勝選手の姿がありました。

長谷川帝勝選手:
「ここ(立山キングス)は小さいころから自分を育ててくれた場所でもあって、スタッフの人が自分の練習を見ていて『頑張っているね』と応援してくれていて、すごい思い出深い場所なので、すごいいい場所」

実は長谷川選手にとって立山キングスは、小学生のころから技を磨いてきた特別な場所。立山キングスの石川諒所長は、長谷川選手の成長を見守ってきました。

立山キングス・石川諒所長:
「たぶんまだ小学校4、5年とかなのかな。それからずっと来てくれていて、そのころから朝から晩までずっと滑っていたんですけど。ここまで(世界選手権優勝)とは思っていなかったんですけど、今はかなり前人未到に達していて、誰もなしえていないことをやってくれているので本当に驚きとびっくりという気持ちが一番です」


毎年、立山キングスで技に磨きをかけてきた長谷川選手。2023年9月には、前人未到の大技に成功しました。
それが…世界最高難易度「1980(ナインティーンエイティ)」。

空中で1、2、3、4…5回転半を舞う神業。
しかもバックサイド、キャブ、フロントサイド、スイッチバックサイドと4方向すべてで成功させました。これは“人類初”の偉業です。

長谷川帝勝選手:
「海外の選手も“まじかっ”みたいなのが本音だって」


この5回転半という大技に磨きをかけるため、10月1日から立山キングスで練習に励んでいる長谷川選手。10日の練習でも、大技の完成度をあげるため繰り返しジャンプをして動きを確認していました。
スノーボード界期待の新生がこれから目指すものとは。

長谷川帝勝選手:
「ずっと頑張ってきたことが結果に現れた感じで、それはすごいうれしい部分もあって、それもあるんですけど慢心せずにもっと上を目指して、オリンピック出て金メダル取れるように、ずっと目標を持ち続けながらやりたい」

立山キングスでの合宿は11日までで、長谷川選手は10月21日から始まるスイスでのワールドカップに出場します。