イギリスのエリザベス女王が亡くなってから1年。今も女王を偲ぶ声が聞かれる一方で、王室が過去に関与したとされる「奴隷貿易」について謝罪を求める声が高まっています。
ロンドンの金融街シティで奴隷貿易の歴史を辿るこのツアー。ガイドのアンジェラさんは旧王立取引所にあるアフリカ出身の奴隷が膝をついた彫刻を指してこう説明します。
アンジェラさん
「黒人の歴史はイギリスの歴史です。アフリカの人々が当時、どう見られていたかを物語っています」
エリザベス女王が亡くなってから1年が経ったイギリスでは、今も女王を偲ぶ声が聞かれますが、アンジェラさんは奴隷制度への謝罪をしなかった女王に対して複雑な感情を抱いています。
アンジェラさん
「女王は難しい問題を乗り越えるために慎重すぎました」
ヨーロッパの国々は16世紀からアフリカの黒人を奴隷としてアメリカ大陸などに売り込み、中でもイギリスは奴隷貿易で莫大な利益を得ました。
今年4月、イギリスの新聞ガーディアンが17世紀のイギリス王室と奴隷貿易との強い関わりを示す文書の存在を報じると…
イギリス王室
「チャールズ国王はこの問題を深刻に受け止めています」
王室は“所有する資料を公開し、2026年までに調査結果をまとめること”を約束しました。7月にはオランダ国王が奴隷制への王室の関与について公式に謝罪していて、旧植民地の国からはイギリス王室に対して謝罪を求める声が一層、高まっています。
こうした中、奴隷商人の子孫が立ち上がりました。
ローラ・トレベリアンさんは自身の祖先がかつてイギリスの植民地だったカリブ海のグレナダで1000人以上の奴隷を所有し、多額の利益を得ていた事実を知りました。
トレベリアンさん
「奴隷制度はこれまでにどれほどの苦痛をグレナダにもたらしたことでしょうか」
トレべリアンさんはイギリスの公共放送BBCのキャスターでしたが退職し、奴隷貿易に対する謝罪と賠償を求めるキャンペーンを展開。今年2月にはグレナダを訪問して祖先が奴隷貿易に関わっていたことを国に謝罪した上、日本円でおよそ1800万円の賠償金を支払いました。
トレベリアンさんらはイギリス王室や政府に対し、“かつて植民地だった国々に公式に謝罪するべきだ”と求めています。
トレベリアンさん
「謝罪はお金よりはるかに重要です。残虐行為、非人道性、命の損失に対価をつけられないからです。負の歴史をもつヨーロッパが前進するためには、それらを認知する必要があります」
若者の過半数が君主制に否定的だとする世論調査も出る中、新たな王室は奴隷制とのさらなる向き合いを迫られることになりそうです。
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