福島県郡山市の総合体育館が、消防法の基準を満たしていなかった問題で、市は当初、不適合の期間を35年間としていましたが、44年間だったことがわかりました。
郡山市と郡山消防本部が開いた会見によりますと、「宝来屋郡山総合体育館」は、1979年の消防法改正により、スプリンクラー増設義務化の対象となっていましたが、必要な対応をせず、およそ44年間にわたって使用し続けていました。
市は13日の取材に対し、不適合の期間を「1987年以降・35年間」としていましたが、その後、消防本部に確認した結果「1979年以降・44年間」だったことが分かったということです。
また、去年9月には体育館の改修工事の応募事業者からの指摘で、スプリンクラーが不足していることがわかっていましたが、市は、既存の消火設備の併用やこまめな巡回を行うことで安全に利用ができると判断し、およそ1年間事案を公表していませんでした。市は「認識不足」としたうえで、「当時速やかな発表を行わなかったことについて反省している」とコメントしています。
一方、郡山消防本部は、これまで体育館に14回の立ち入り検査を行っていましたが、不適合な状態だと認識できなかったということです。
市は、2024年3月から始まる改修工事で、入り口や通路などにスプリンクラーを増設することにしています。そのため、体育館の営業再開は当初の計画より半年ほど遅れ、25年4月ごろになる見込みです。
市は今回の事案について「定期的な消防設備の点検を徹底する」とし、消防本部は、「法令のチェックや改正の内容について認識を職員全員で徹底する」としています。














