3日、青森県大鰐町のリンゴ園に設置されたわなにかかったクマ。なぜリンゴ園にわなが設置されているのか、大鰐町では、今年クマによるリンゴの食害が急増しているためです。さらに枝が折られているため、この先、数年にわたって収穫への影響も心配されています。


大鰐町島田でリンゴを栽培している下山雅弘さん。その園地では収穫を控え、枝には実がついている時期ですが…。

下山林檎園 下山雅弘さん
「この辺にもリンゴがたくさんならなければいけないが、食べられてそのへんも枝全部折られてしまってます」


8月、園地を訪れたところ複数の木で枝が折れ実がなくなっていました。傷あとなどからクマによる被害と見られています。


下山林檎園 下山雅弘さん
「この木には7~8箱分なっていましたが、今現在30個ぐらいしかリンゴついていません」


下山さんの園地では早生つがるを中心に全体の3割、量にすると約1トンのリンゴが被害に遭っています。

下山林檎園 下山雅弘さん
「木に有刺鉄線を巻いてクマが登ってこれないように試行錯誤している」

できる限りの対応はとっているものの、影響はこの先にも及んでしまうと下山さんは話します。

下山林檎園 下山雅弘さん
「枝折られてしまっているせいで今年度から5年ないし10年近く、元の収穫量までリンゴを取り戻すことができずに今大変悩んでいます」

大鰐町では今年、こうしたクマによる被害が急増、2022年4月から12月までは4件でしたが、ことしは4日までに22件に上っています。

下山林檎園 下山雅弘さん
「りんご食べやがってこの野郎」

町では猟友会と協力してわなを20か所以上設置。少なくとも10頭ほど捕獲していますが被害は収まっていません。

大鰐町農林課 齋藤孝嗣課長補佐
「どうしてもなかなか罠の中に入ってくれないというのが現状でなんとかいち早く被害が少なくなってくれれば」

行政としても、いま以上の対応を取ることが難しい中、下山さんはこの先、主力品種のふじも被害にあうのではと不安を感じています。

下山林檎園 下山雅弘さん
「なんとか私たち農家を始め住民の人たちのクマからの被害、動物などからの被害、なんとか私たちを助けてください」

対策を講じなければ、クマがいまの状況に慣れてしまうという可能性もあるため、町ではパトロールをさらに強化するなどして、被害を抑えたいとしています。