新型インフルエンザ等対策推進会議の議長を務め、今月31日に退任する尾身茂氏が総理官邸で記者団の取材に応じ、「日本中で大変な思いをしなかった人はいなかった」とコロナ禍の3年間を振り返りました。

尾身 茂 氏
「今回大変な思いをしなかった人は、日本に住んでる人は誰もいなかったんじゃないかと思います。(Q.大変な役目を終えられて、今、率直なお気持ちというのはいかがでしょうか)うん、それはもう、そこは一言、肩の荷が降りたっていう感じですかね」

尾身茂氏は新型コロナ対策などを検討する新型インフルエンザ等対策推進会議の議長を務めたほか、新型コロナ分科会、基本的対処方針分科会の両会長として、3年にわたるコロナ禍でリーダーシップをとってきました。

岸田総理から労いの言葉をもらったあと、尾身氏はコロナ禍を振り返り次のように伝えたということです。

尾身 茂 氏
「誰しも喉元すぎれば熱さ忘れるということがある。これだけの大変な思いだったにもかかわらず、忘れるというような傾向が人間はある。平時において今までの3年間の教訓を活かして、しっかり危機に対する準備をすることが重要」

また、尾身氏は、来月1日に発足し感染症の危機管理を一元的に担う内閣感染症危機管理統括庁について「今回の経験を活かしてしっかりとじっくりと大きな絵を描いていただければというのが私の願い」とエールを送りました。