青森の夏を熱く焦がすねぶた祭。ことし、デビューをしたのが新人ねぶた師・野村昂史さんです。師匠の第7代ねぶた名人、竹浪比呂央さんに憧れて目指した晴れ舞台。デビュー作に、師匠の竹浪さんがかけた言葉とは。

観客を沸かせる勇壮で色鮮やかなねぶた。手がけたのはこの夏デビューしたねぶた師・野村昂史さんです。

※新人ねぶた師 野村昂史さん(48)「夢のような感じ。諦めなくてよかった。諦める勇気がなかったけど、諦めなかった自分が、えらい」

人生の転機となったのは、2000年に1台の大型ねぶたを見たことがきっかけでした。第7代ねぶた名人・竹浪比呂央さん制作、「山幸彦海中に入る(やまさちひこかいちゅうにいる)」です。
野村さんは、28歳から竹浪さんのもとへ通い、ねぶた師という夢を追い続けました。

※3月26日・野村昂史さん「自分もそういう風になりたい。そういうねぶたを作りたい。そういう人になりたいが本音です」

野村さんの修業期間は20年。その姿勢と技術を認めた竹浪さんはプロクレアホールディングスから運行団体として祭へ新たに出陣したいという相談を受けると、野村さんを制作者に推薦したといいます。

※4月18日・師匠の竹浪比呂央ねぶた名人(63)「なんの躊躇することもなく、次に大型ねぶたの話がきたら、野村だと思っていました」

こうして、21年ぶりとなる新規参入団体の制作者という大役に抜擢されました。

※4月18日・野村さん竹浪さん「野村・足はどんと見せたい。竹浪・見せたほうがいいね。頭もよくなってきた」「竹浪・ここまで来れば、もう見えたでしょう。野村・ここから長い旅かと。竹浪・ここから一気にです」

待ち焦がれた初陣。デビュー作は困難に挑む人を守護する不動明王(ふどうみょうおう)を題材にしていて、力強く鳴り響く囃子にあわせ躍動します。

野村さんの晴れ舞台を見届けようと師匠の竹浪さんも駆けつけます。

※竹浪比呂央ねぶた名人「最高です。墨の線がいいのと、色がはっきりしている。立派な作品です」

そして、竹浪さんが贈ったある言葉が野村さんの心を奮い立たせました。

※野村昂史さん「(師匠から)『赤色いいね』と。色のつけ方を褒められたのはすごく嬉しいこと。作りたい。もっといいねぶた、もっといい赤いねぶたを作りたい」

ねぶた師として生きる喜びとこれから続くさらなる挑戦。その重みをかみしめ、野村さんは再び、歩みだそうとしています。