新人消防士が消防の技術や規律などを学ぶ静岡県消防学校。指導の厳しさで知られるこの学び舎に、幼いころからの夢・消防士になるための訓練を受けている双子の女性新人消防士がいます。起伏の激しい山道を約30キロ歩き続ける訓練に挑む2人に密着しました。
<久保田紗里奈さん・優里奈さん>
Qすごい荷物ですね。きょうはどこに行くんですか?」
「きょう(5月25日)は浜石岳に行きます」
<準備運動の掛け声>
「1、2、3、4!」
駿東伊豆消防本部の新人消防士、久保田優里奈さん(19)と双子の姉の紗里奈さん(19)です。中学生の頃から、おもちゃの消防車を集めるほど消防が大好きな2人です。2人は1浪して、悲願だった消防士試験に合格し消防学校へ。夢への第一歩を踏み出しました。
<県消防学校 飯塚 誠教官>
「実践的訓練、気持ちを災害モードに切り替えろ。気持ちをオンにしろ」
この日行われたのは、被災地まで徒歩で行くことを想定した野外訓練です。消防学校(静岡清水区)を出発して薩埵峠を越え、標高707メートルの浜石岳のルートを往復します。ホースなどの資機材を背負い、約30キロの行程を歩きます。背負う荷物は約14キロ。体力が課題の2人には大きな負担です。
<県消防学校 飯塚 誠教官>
「休憩中も気を緩めるな。全力で体力を回復しろ」
休憩は、次の目的地までの準備の時間です。ひとときも気が抜けません。今回の訓練で一番の難所は標高707メートル、浜石岳の登り坂です。
<男子学生>
「ウォー」
重い荷物を背負っての山道は、男性でも音を上げるほど。
<同期の仲間>
「行ける?よし行こう」
妹の優里奈さん。仲間に励まされ、なんとか一歩を踏み出すも、制限時間に間に合わずリタイアとなりました。
<妹・久保田優里奈さん>
「悔しいです」
一方、姉の紗里奈さんは…
<男子学生>
「行くぞ。頑張れ」
仲間と山頂に到着。目の前にはきれいな景色が広がっていますが…ここは楽しむ場所ではありません。
<県消防学校 飯塚 誠教官>
「これから被災地の消防学校に向けて出発する」
いよいよ後半戦です。これまで懸命に歩き続けてきた姉の紗里奈さんですが…
<県消防学校 山田友也教官>
「椅子に座っているように後ろの学生に寄りかかれ。膝を曲げた方が楽だから」
体調を崩してしまいます。しかし…
<姉・久保田紗里奈さん>
「行ける」
<同期>
「行けるみたいです」
<姉・久保田紗里奈さん>
「行きます」
なんとか消防学校までたどり着くことができました。
<姉・久保田紗理奈さん>
「できるかなって思っていたんですけど、これが災害だったらそんなことを言っていられないのは当たり前だし、自分はまだまだ小さすぎるので、卒業までに鍛え抜いていきたいなって強く思いました」
<妹・久保田優里奈さん>
「自分の力のなさに気づきました。紗里奈は完走できていて、今までの経験なら2人とも同じぐらいだったので競争心が常にあって、今回初めて私が同じくらいに立てなかったってことで、とても悔しいので焦りますね」
訓練を受ければ受けるほど、自らの課題を目の当たりにする双子の新人消防士。それでも夢の実現に向けて2人は前に進みます。
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