全日本柔道連盟(以下、全柔連)は28日、都内で評議員会と臨時理事会を開き、山下泰裕会長(66)の退任を決定。後任には同連盟の副会長を務めてきた中村真一氏(64)が就任することになった。なお、山下氏は全柔連の名誉会長に就任する。

臨時理事会後、会見に臨んだ山下氏は会長職を務めた3期6年間を振り返り「2期目3期目はJOCの会長も兼務する形だった。50年に一度の国家的プロジェクト(東京五輪)を控え、コロナ禍、大会の1年延期があり、JOCの会長としての責務に注力せざるを得なかった。全柔連会長として役割をどこまで果たせたのか。柔道界にはそういう意味では申し訳ない」と心境を明かした。

一方で「そんな私の状況を(他の役員に)良くご理解いただたいて全面的に支えてくださった。感謝の気持ちでいっぱい」と語った。

任期中に最も印象に残ったこととして21年の東京五輪を挙げ、過去最多となる9個の金メダルを獲得した柔道日本代表に「日本柔道の大活躍。あそこまで選手が頑張って、監督、コーチ、スタッフみんなが心を一つにしてあれだけの成績を上げてくれるとは、今でも信じられない思い」と称えた。

任期中に代表が選考されたアジア大会、来年に迫るパリ五輪での選手への期待について質問が飛ぶと「マスコミのみなさんにはっきり言いたいが、メダル至上命令、それに近い発言をしたことは一度もない。金メダルやメダルをとって当然だとか、そんな簡単なことではないことは私が一番わかっている」と思いを語った。

それでも9月開幕のアジア大会、来年のパリ五輪に向けて「しっかりと日本代表としての誇りと自覚を持って、与えられたチャンスで自分の可能性を最大限に発揮できるようにしっかり準備して、勇気を持って思い切りチャレンジしてほしい」とエールを送った。

新会長に就任した中村氏は「レジェンドである山下前会長の後任を務めることとなり、その重責に身の引き締まる思い。柔道界の発展の為に努力していきたい」と就任への思いを述べた。小学生の時に柔道を始め、社会人まで競技を続けた柔道家の中村氏。「競技者としての実績については自慢できるものは全くないが、柔道から多くを学び現在の私がある。全力を尽くして職責を全うしたい」と抱負を語った。