五輪、世界バレーに並ぶバレーボールの世界三大大会の一つ、ネーションズリーグは14日(日本時間)、第2週ブラジル大会が開幕する。東京五輪フル出場の女子日本代表の石川真佑(23)が兄で日本代表主将の祐希(27、ミラノ)の存在について語った。来季、石川はイタリアのイル・ビゾンテ・フィレンツェでプレー。兄妹でイタリアリーグに参戦が決まっている。
Q.眞鍋監督の2年目シーズンが始まりました。ユニフォームを着て、どんな気持ちですか?
石川真佑選手:
今年は大事な試合(パリ五輪予選)があるので、その中でしっかり結果を出して頑張りたいなと思います。
Q.Vリーグでは日本人最多得点、世界バレーの経験を活かしながらリーグで挑戦したことや意識したことはありますか?
石川選手:
世界バレーで最後はあの結果(準々決勝敗退)で終わってしまったっていうところもあるんですけど。自分自身、リーグに入っていく中で世界バレーだけではなく、その前のネーションズリーグ(VNL)でも学んだところがありました。それを自分の中での選択肢を増やすっていうところは意識してリーグに臨んでました。
Q.手ごたえはありますか?
石川選手:
今までの私であれば、ただ打つだけっていうところが多かったんです。Vリーグの試合を通していく中で、緩いボールだったり、フェイント、ティップっていうところをプッシュだったりと、自分の中で選択肢が増えたところもありました。ブロックをしっかり利用して点数を取るっていうところでは、本当に代表シーズンでいろんな選手のプレーを見て学びました。そういったところはVリーグで活かせた部分は多かったんじゃないかなと、私は思ってます。
Q.スイングスピードも速くなったと思ったんですが、ご自身的にいかがですか?
石川選手:
トスのスピードっていうのも年々、自分自身速くなってるなっていうふうに思います。やっぱり相手の高いブロックに対して、自分がそのブロックを抜くっていうところでは、溜めて打つところも必要なんですけど、そのブロックが完成する前に「しっかり打つ!」っていうところも意識してやってます。
Q.バックアタックに関してはどうですか?自分的に手応えとか、もっとできることとか。
石川選手:
ブレイクに入ってく中で、バックローの意識っていうのは本当に積極的にしてた部分もあったんです。けど後半になっていくにつれて、やっぱり意識してる部分はあるけど、そこをしっかり使えるところが少なかったのかなって。どういった状況でも、その攻撃枚数を増やすっていうのは必要だと思うので、そこのバックローの意識はしっかり継続してやっていきたいです。
Q.去年より、1段階上がったんじゃないかなって思ったんですけどいかがですか?
石川選手:
相手を崩すことだったり、ポイントを取るっていうところは今シーズン、リーグを通して凄い良かったことも多かったです。そこは本当に自分自身、自信を持ってやっていきたいなっていう風に思います。でも、やっぱり試合を重ねていく中でミスっていうのもありましたし、あとはスピードのところでも、ちょっと落ちてきてる部分もあったので、シーズンを通してしっかり落とさないようにやっていけたらいいのかなという風に思ってます。
Q.使い分けてますよね。曲がりとか変化だったり。
石川選手:
コースの内訳っていうところもそうですし、前後の揺さぶりっていうところも、もう積極的にというか意識しては取り組んでます。
Q.代表を経験して自分の中で一番伸びたなとか、手応えを感じてる部分は?
石川選手:
特にサーブっていうところでは本当に自分自身、ピンチサーバーで入ることも多かったので、そこはサーブの意識っていうところは強みでもあった部分。代表シーズンを通してサーブへの意識っていうのは高まってる部分もあります。でもオフェンス、ディフェンスの部分でも本当に安定性っていうのは大事になってくるのかなって思う。どれだけミスをしないようにできるかっていうところと、あとはしっかり安定したプレーっていうところは必要になってくるのかなとは思ってます。
Q.日本代表主将でお兄さんの石川祐希選手、お兄さんの活躍ってどういう風にご覧になってましたか?
石川選手:
試合をライブで見ることは、あまりなかったです。けど、後でちょっと振り返ってみるっていうところだったり、そういったところは見てました。その中で、そのプレーを自分はその時、まだファイナルもあったので、そこに少しでも自分も意識というかこういうプレーっていうところは見るようにしてました。そこだけにとらわれずに、しっかり自分は自分でやろうっていう風には思ってました。
Q.お兄さんは世界バレーの時に「あと1点」という場面がありました。石川選手、自身も1点を取り切る力は大事にしていると思いますが、そこへのこだわりや思いはいかがですか?
石川選手:
色んな記事を見て何か取り切るところって一緒だなっていう風に自分も感じましたし、でもそういった中でやっぱり言葉だけじゃなくて、しっかり結果だったり、プレーでやっていかないと意味がないと思います。そこで自分が最後1点をとりきるっていうところを求めていかなきゃいけないなとは思ってます。
Q.日本代表でキャプテンとして頑張るお兄さんはどんな存在ですか?
石川選手:
チームとしてもやっぱり必要な存在でもあると思うので、そういう選手に私も少しでも近づけるように頑張っていきたいです。一人のプレーヤーとして見習うところっていうのはあるので、そういったプレーを自分自身、しっかり学んでいきたいなとは思ってます。
Q.ネーションズリーグを去年、経験してどういう位置づけでどんな大会にしたいですか
石川選手:
今年はVNLとOQT(五輪予選)があって、OQTにつなげるためにもVNLは大事な試合になってくると思うし、少しでもランキングを上げていかないといけないと思うので、どの試合であっても一戦一戦しっかり勝ちに行くっていうところにはこだわってやっていけたらいいのかなと思います。
Q.チームの中で自分の役割っていうのはどういうところにあると思いながらプレーしてますか?
石川選手:
どういった状況でも、自分のプレーをしっかり出しきるっていうところと、試合に向けて自分の気持ちのコントロールだったり、プレーのコンディションというところも、しっかり試合に合わせていけるように、自分の中でやっていければいいのかなと思います。
Q.改めて去年の代表シーズンっていうのは自分にとっていかがでしたか。
石川選手:
前半のところでは、自分自身のプレーの質っていうのはあまり良くなかったので、そういうところでは自分の課題でもあると思うし、後半しっかり自分のプレーっていうのも出せてる部分もあったので、そこの波をなくすっていうところを今シーズンはやっていけたらいいのかなと思います。
Q.キャプテンの古賀さんについても聞きたいんですけど、リーグ中は良きライバルっていうか対戦相手だと思いますが、石川さんにとって古賀さんってどんな存在ですか?
石川選手:
代表シーズンで、しかも一緒にやらせてもらうっていうところはないんですけど、一緒にプレーをする中で自分自身学ぶところもありますしチームがどう勝つか、っていうところもそのすごい考えてくださってると思うので、その中で自分自身も少しでも力になれればなって思いますし、やっぱり最後はしっかりいい形で終われるように一緒に頑張っていけたらいいのかなと思います。
Q.東京五輪の時は出場権がありましたが、パリ五輪は自力で出場権を自分でつかまないといけないので大事な1年になると思います。そこに向けた覚悟や決意を聞かせてください。
石川選手:
自分達で切符を取るっていうところで、もう本当に難しい試合になると思いますし、簡単に手に入るものではないと思うので、やっぱりその試合までの期間というところで、チームとしてのそのプレーの質だったりそういうチーム力っていうところも上げていければいいのかなと思いますし、やっぱり最後しっかり勝ち切れるように目の前の試合っていうところを全力でチーム全員で戦っていければいいのかなと思います。
Q.ネーションズリーグの目標は?
石川選手:ベスト4以上に入ることです。
■石川真佑(いしかわ・まゆ)
2000年5月14日生まれ、23歳。身長174㎝ 愛知県岡崎市出身。
下北沢成徳高校では全国大会優勝に貢献し、高校卒業後に東レアローズに入団。入団初年度に最優秀新人賞を受賞。2022-23シーズンでは、最多得点の日本記録を更新し、Vリーグ日本記録賞を受賞。2019年から日本代表に選出され東京五輪出場。兄は男子バレーボール日本代表キャプテンの石川祐希。