今週、お伝えする「SDGs・ウィーク」。国連が定めた17つの目標のうち、今回、取り上げるのは「つくる責任、つかう責任」。高齢化などに伴い、廃棄量が増え続けている「紙おむつ」を資源として活用する取り組みが北海道の町で行われています。
豊かな自然に恵まれた北海道北部の街、幌延町。人口はおよそ2000人。およそ3割を65歳以上の高齢者が占めています。高齢化が進む町の老人ホームで毎日、大量に捨てられるのが「紙おむつ」です。
こざくら荘 澤向和哉 施設長
「1袋で8キロ入る袋が10袋、ですから1日80キロくらいのおむつが出ますね」
環境省によると、「紙おむつ」の全国での廃棄量は2015年度は200万トンほどでしたが、高齢化などを背景に、2030年度にはさらに50万トンほど増えると予測されています。幌延町では、これを資源化する取り組みが行われているのです。
老人ホームなど15の施設からごみとして出た紙おむつは、リサイクル工場に向かいます。機械に放り込み、細かく砕いて乾燥。菌やウイルスを無くし、特殊な工程を踏むと、できあがるのがこちら。一見なんだかわかりませんが、「合成燃料」なんです。
紙やプラスチックなどを原料とする「紙おむつ」は、よく燃え、燃料に向いているといいます。気になるのはその臭いですが…
記者
「ほとんど臭いはしないですね」
作られた「合成燃料」は老人ホームでお風呂などのお湯を沸かすために使われています。“ごみ”として出たおむつが、“燃料”として戻ってきているのです。施設で使う重油は、年間で2万2000リットル削減されました。
こざくら荘 澤向和哉 施設長
「ごみが減るということと、重油の量が減って、その分、経済的にも良い」
そもそも、この小さな町で「紙おむつ」を資源化する取り組みが始まったのは2年前。そこには、やむにやまれぬ事情がありました。
記者
「幌延町にあるごみの最終処分場に来ています。辺り一面ごみに覆われていて、今見えている部分の下にもごみが積まれているということです」
町のごみ処分場はすでに8割ほど埋まっていて、受け入れ能力の限界が近づいているのです。周辺の4つの町も含め、1日およそ7トンのごみが運び込まれますが、その2割を占めていたのが使用済みの「紙おむつ」でした。
さらに、紙おむつでつくる「合成燃料」には実はもう一つ、あるごみが混ぜられています。町の公園や道路を整備する際に出る剪定枝=廃材です。
西天北五町衛生施設組合 岩川実樹 副組合長
「木質チップと紙おむつを混ぜ合わせます」
紙おむつと廃材を「合成燃料」にすることで、町では年間であわせて170トンのごみが削減されました。
西天北五町衛生施設組合 岩川実樹 副組合長
「地域の資源が地域で循環できていることからいくと、ローカルSDGsとして少しは貢献できていると考えております。この取り組みが全国的に広がっていけば良いかなと考えております」
小さな町の取り組みが、大きな問題を解決するヒントになるかもしれません。
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