岡山市南区の興陽高校の生徒が、動物用の医療用品を製造する企業と「これまでにはなかった」という新商品の開発に乗り出しました。学校でも飼育しているウサギを病気から守る新商品です。

「かわいいな、お前はほんまに。よしよし」

かわいらしいウサギのために新たに開発するのは「足の裏を守るサポーター」です。ウサギの足の裏は、犬や猫のように肉球がなく、地面と擦れて皮膚病になりやすいといわれています。

岡山県立興陽高校では、畜産の授業で生徒が生態を学ぶため、昔からウサギを飼っていますが、皮膚病になってしまうことがありました。同じ悩みを抱える人のためになればと、学校が岡山市で動物用の医療用品を製造するアニフルに、「皮膚病の悪化を防ぐサポーター」の共同開発を提案したのです。

(アニフル粕井康平さん)
「今、世の中に『ウサギ専用のサポーター』というのはなくて、皮膚疾患になった時はいま包帯で巻いて治療したりするので、ただそれだと自分でとってしまったりするので、皮膚疾患の治療に役立つ商品になるといいなと」

病気を早く治すためのサポーターです。この日はアニフルが用意した4種類の試作品を試し、改良点を話し合いました。

「室内で飼う人がいるから、滑り止めがあるといい」
「ウサギが長い間健康で不自由なく生活できるようにできたらいいなと思います」

(農業科の生徒)
「ウサギにとって嫌じゃないものを、がんばって作っていきたいです」

生徒たちは今後、サポーターのデザインを担当します。県内の動物病院に意見を聞いた上で今年7月の商品化を目指します。

(アニフル粕井康平さん)
「2023年の卯年っていうところで、しっかりウサギの明るい未来を一緒に興陽高校の生徒さんと作っていけるように、目指してやっていきたいなと思います」

病気になったウサギが一日でも早く元気になれるように…学生と企業の想いがこもった新商品が生まれようとしています。

なお興陽高校ではこのほかにも、「農業をする人向けに体の負担を減らすアシストスーツの新商品の開発」にも取り組んでいるということです。