通常よりも小さく生まれたきた赤ちゃん、低出生体重児と言うんですが、その赤ちゃんと家族を支援する取り組みです。
多くの悩みを抱える母親をサポートする冊子、「リトルベビ―ハンドブック」が完成し、来月から配布されることになりました。

宮崎県が初めて作成したリトルベビーハンドブック。そのきっかけを作ったのが、宮崎市の増田杏那さんです。

(増田杏那さん)「このぐらいの手のひらサイズの子どもが、すごくいっぱい管につながれて、私、なんてことしちゃったんだろうと思っちゃって。この子たちを産む選択をしてよかったのかなってすごく思っちゃって」
2020年8月、増田さんは、予定より4か月早く、双子の赤ちゃんを出産。586グラムの琉生(るい)くんと616グラムの吏玖(りく)くん、平均体重の5分の1程度の低出生体重児でした。



その育児の中で、増田さんが気づいたのが母子健康手帳の使いづらさです。
(増田杏那さん)「何か月健診とか、そういう健診のときに、あっ、この子何も丸をつけることがないから、健診に行く意味あるのかなとか」
母子手帳にある成長の記録。小さく生まれた増田さんの子どもの場合、身体の動きなど発達を記入する欄は、「いいえ」ばかりに…


また、体重も手帳のグラフが、1キロから始まるため、記録を残せませんでした。
(増田杏那さん)「子どもの成長を書けないし、書くことが苦痛になってしまって、楽しいものじゃないですか、本来なら。なんでこんなに苦痛に感じなければならないんだろうって・・・」

そうした経験から、増田さんは、おととし、同じ境遇の母親たちと「宮崎リトルベビーサークル結(ゆう)」を設立。そして、低出生体重児の家族をサポートするハンドブックの作成を県に働きかけ、実現させました。

ハンドブックの製作には、増田さんも参加。その意見を反映した0キロから始まるグラフの導入のほか、「先輩ママ」として、メッセージも寄せています。

(増田さんのメッセージ)「『比べんでいっちゃが』成長過程をどうしても周りと比べてしまいがちです。その子にはその子のペースがあります。ゆっくりと見守っていきましょう」
(増田杏那さん)「このハンドブックって、ただ記録を記していくだけのものではなくて、1人じゃないというのを伝えることができたらいいなと思って」
リトルベビ―の親たちの思いが詰まった宮崎県版のハンドブック。
小さく生まれた赤ちゃん、そして、その家族たちの大きな支えになりそうです。

(増田杏那さん)「将来を想像できないというのがやっぱりあると思うんですよ。なので、元リトルベビ―のご家族からのメッセージとかこうやって大きく成長していくんだなとか何か励みになればいいなと思って。この1冊が心の支えになってお守り的なものになったらいいなと思っています」


宮崎県内で、おととし、1500グラム未満で生まれた赤ちゃんは63人いたということです。
宮崎県版のリトルベビ―ハンドブックは、4月から、県内に7か所ある周産期母子医療センターで配布されることになっています。