渡嘉敷島の人口はおよそ700人。島に2つある集落のうち観光客に人気のビーチがある阿波連集落。ビーチと目と鼻の先にあるのが島で唯一の商店、新垣商店です。

新垣商店で扱うのは、およそ2000アイテム。観光客のニーズに応える釣り具をはじめ、日用雑貨や生鮮食品が並びます。

店で特に島の住民から人気の商品が…。

島民「お腹減ったなぁと思った時はすぐに、パンはあるし、総菜はあるし、お弁当はあるし。地元に寄り添った店なので」
島民「昼には弁当、朝にはこういったおにぎりがあるので。お気に入りです。甘い感じが好きです」

人気商品は手作りのおにぎりやお弁当。ポーク玉子おにぎりは多い時で、1日200個売れる看板商品です。

家族経営の新垣商店で、料理を担当するのは3代目の利津子さんと娘の優子さんです。ちなみにポーク玉子おにぎりの隠し味は、味噌に混ぜ込んだシーチキン。

3代目 新垣利津子さん「もうポーク玉子とかは、朝からずっと置きたい。お客さんの声であったらいいなというので」
新垣優子さん「ポーク玉子おにぎり、(最初は)きれいに包むことが出来なくて。なんか卵がはみ出ちゃったりとか。1年ぐらいかかりました」

島の人からのリクエストで、利津子さんの世代から始まったサービスです。

Q難儀だと思うが?
利津子さん「難儀だけどね。頑張るっちゃ」

島の人のニーズに合わせたサービスを提供してきた新垣商店。優子さんの世代で新たに始めたことも。

「こんにちは。お弁当です」
「ありがとうございます」

手作り弁当の宅配サービスです。

宅配注文した島民「島のものを使って作ってもらっているので、美味しくいただいています」

配達する弁当は平日およそ20個。

宅配注文した農家「買いに行くと仕事の流れを中断しないといけない。配達される我々はとても有難い」

一方で年末年始も休まず営業することや、日用品などの価格をコンビニ程度には抑えるといった島の人向けの従来のサービスも、家族で協力して守っています。

お店と並行して子育ても行う優子さんの仕事へのモチベーションは、家族旅行です。ちなみに先月は長崎に行きました。

優子さん「年に一回の旅行が楽しみで、それを楽しみにがんばっています。日頃の疲れもあると思うので、1年に一回は絶対旅行行こうなって2人で決めて頑張っていますね」

”年に一回は家族旅行を”。それは3代目の両親が新たに始めた事でした。

利津子さん「娘たち、子ども達にはね、息子にも娘にも自分たちが出来なかった分、旅行はいって欲しい」

渡嘉敷村の阿波連集落。その商店には暮らしを支える商品と島の人にも、共に働く家族にも、寄り添う気持ちがありました。