東京電力福島第一原発から6キロほど離れた福島県浪江町の請戸地区です。

私が立っているのは震災後につくられた防潮堤の上です。およそ7メートルの高さがあります。

ここ請戸地区は震災の津波で多くの人が犠牲となり、一時は、原発事故の避難区域となりました。福島県内では、震災による死者は関連死を含めて3935人、今も224人の行方がわかっていません。

浪江町の霊園では、けさ早くから震災で亡くなった人を思い、線香や花をたむける人の姿が見られました。

(請戸に住む両親を亡くした女性)

「もう12年たっちゃったのかなって。早い・・・早かったですね」

(請戸に住む親戚を亡くした女性)

「昔の素敵な町になっていくことを望んでお祈りしていました」

原発周辺でも少しずつ復興が進み、住民が住むことのできない「帰還困難区域」の避難指示が一部で解除されましたが、いまも2万7千人あまりが県内外に避難しています。

事故から12年がたちますが廃炉の時期は見通せず、早ければこの春にも行われる「処理水の海洋放出」には、風評被害を懸念する漁業者が強く反発しています。