甲府市の中心街でカラスのフンなどの被害が相次いでいる問題です。

様々な対策をしているものの被害が減らないのが現状で、専門家は短期的と長期的の両輪の対策が必要と指摘します。


雨宮恭太記者:
午後5時半をまわりました、甲府市の中心街に次々とカラスが押し寄せてきています。


14日夕方、甲府市中心街に現れた不気味な黒い影、そして・・・

雨宮記者:
空を埋め尽くすほどのカラスが飛んでいます。


14日午後6時ごろ、UTYのカメラがとらえたのはカラスの大群です。


カラスを20年以上研究するCrowLab 塚原直樹社長:
夏の終わりごろから(ヒナが)親元を離れ、合流してねぐらが大きくなる、天敵になりうる動物が近くにいないので(中心街を)安全と感じている、明かりがあって周りの状況が見えるのが集まる要因になっているのではないか。


甲府市の中心街にカラスの大群が現れるのは毎年秋から冬にかけてで、10年以上前からです。


しかし、今年は去年より増加しているとみられ、多いときで1000羽ほどに上るということです。


雨宮記者:
カラスの発生により至るところで確認されているのは大量のフンです。


カラスがねぐらにしている影響で、平和通り沿いを中心に中心街の広い範囲でフンが確認されています。


清掃員:
今年は多かったですね、増えました。毎日ですね、大体平日で1時間かかる。


警備員:
臭いもしますし、清潔感から言ったら嫌ですね。


コーヒー店 店主:
朝来たらまずフンの掃除をします、カラスのフンを見てからコーヒー召し上がっても美味しくないんじゃないかと思って。


フンによって生活環境や景観が大きく損なわれているのが現状です。


市も対策には乗り出していて、過去には木に距離感覚を狂わす金のテープをつけたり、ビルの屋上にワイヤーを張ってとまる場所を無くしたりしてきましたが、いずれも効果は限定的。


今は街路樹にネットを張っているほか、午後4時半から午後8時まで市役所に設置した機械でカラスが嫌がる音を出しています。


さらに1か月のうち1週間はレーザーを照射した追い払いを行っていますが。


甲府市農林振興室 小田切孝夫室長:
生活環境の悪化が懸念されるので、できるだけ排除するようなことで対策を行っている。自然の物ですのでこれをやればという対策は今のところ難しいところはあるので改善していきたい。


カラスにとって音やレーザーは実害があるわけではないため、いずれは慣れてしまいます。


専門家は追い払い方法を変えながらカラスの個体数を減らすことが大事だと指摘します。


塚原直樹社長:
目の前の被害をどうにかしていかなければいけないというなかでは慣れるたびに新しい(嫌いな)音声に変える、食べ物を食べさせないようにカラスの個体数をコントロールしていく、短期の対策と長期の対策両輪でやっていくことが重要。


甲府市中心街を悩ませるカラスのフン害の解消には時間がかかりそうです。