2月19日に開催される熊本城マラソン。そのフルマラソンに「走らずに」挑戦する男性がいます。その目的は何なのでしょうか。
銀行員の甲斐 奨史(かい まさふみ)さん(34)「走らずに」熊本城マラソンに出場します。

走らないとはどういうことなのか?甲斐さんの周辺で聞き込みしました。
同僚「夜練習しているのを見ると速いんですよね」
営業先のお客さん「ものすごく速いです。一瞬でサァっと駆け抜けていく」
同僚「競歩っていうより普通に走っているような感じで速かった」

そう、甲斐さんは競歩の選手なんです。
実業団選手として熊本県の選手権で2連覇中、かつては国体にも出場した実力者。

そんな甲斐さんですが、高校時代は中距離の選手でした。
甲斐 奨史さん「大学に入る前に膝を痛めてしまって、たまたま競歩をしている後輩がいたので、教えてもらって。そこから競歩にのめり込んでしまった」
そこからは競歩の魅力に引き込まれ、気付けば15年の競技歴に。長距離の場合、走るよりも歩く方が記録がいいそうです。
甲斐さん「マラソンの前はいつも走るのか競歩するのか悩むんですけど、競歩の方が速いので競歩で出場してしまう」

こうして甲斐さんは、県内の長距離の大会に競歩で出場するようになりました。
熊本城マラソンは今回が2回目。前回、3年前の記録は3時間51分で、約1万人が出場した中「競歩で」堂々の1444位。
そんな甲斐さんが競歩でマラソンに出場するのには明確な理由があります。
甲斐さん「ランナーと混じって競歩で出場することによって、みなさんが(競歩に)興味を持っていただいて普及に繋がればいいかなと思います」
競歩の競技人口は全国で約1000人。その中でも熊本は20人ほどと極めて少ない状況です。それでも日本のレベルは高く、2021年の東京オリンピックでは2位と3位は日本人選手。
競技人口が少ないだけに、熊本を拠点にしながらメダリストとも交流できるのが競歩の魅力だと甲斐さんは言います。
甲斐さん「オリンピック選手の方々と話す機会とか一緒に練習できる機会がみんなにあって(競技レベルの)底上げに繋がっていると思います」
甲斐さんは、競歩の良さや魅力を自らの足で伝えたいと熊本城マラソンを「全力で歩き」ます。

甲斐さん「できるだけ、1人でも多くの方に競歩の楽しさが伝わればいいかなと思います。伝えられるように一生懸命頑張ります」













