今月4日(土)と5日(日)の2日間、沖縄県の宮古島で全国から70組以上のクリエイターが集まったイベントが開かれました。2日間で延べ6000人が来場したイベント『シマヲツナグ』を主催したのは、島在住の人形作家・砂川一紗(すなかわ かずさ)さん。砂川さんがイベントに込めた思いを取材しました。

イベント『シマヲツナグ』を主催したのは、千葉県出身で、宮古島在住の砂川一紗さん。『私を持ち歩く』をコンセプトに、カラフルな色合いの洋服や着物などを着た人形を制作・販売するクリエイターです。
7年前に宮古島出身の和之さんと出会い、結婚したことがきっかけに島に引っ越してきました。
人形を作り始めたのはおよそ4年前。もともとは針に糸を通せないほど裁縫が苦手でしたが、馴染みの店の人に誘われ、ハンドメイドの作品を集めたイベントに出店したことがきっかけでした。
シマヲツナグ実行委員長 砂川一紗さん「YouTubeとかを見ながら1から勉強して、最初は本当に100均にあるようなパーツを買ってきて作るっていう感じだったんですけれども、販売でお金が生まれたときに、すごくうれしくて、これって続けていきたいなって」
その後、自分の得意分野を生かし人形づくりにのめりこんでいきました

砂川さん「自分はファッションが好きだということで、ネットショッピングというか洋服をいろいろ見るようになって、かわいいなと思ったものを写真とったり保存していくと、自分が作りたいデザインって」
砂川さんのこだわりは細部にわたります。
砂川さん「後ろ姿にもこだわってて、やっぱりキーホルダーなのでカバンにつけてると回転するんですけれども、そういった見えないところにもこだわって作っているのがポイントかなと思います。ちょっとした隙間とかが気になるので、いかにこう肌が見えないようにするかっていうのをこだわってて」
人形づくりの研究し、改良を重ねた砂川さん。今では、人形製作で得た収入で全国各地のイベントに参加できるクリエイターに成長しました。
砂川さん「芸術とか触れる機会がなかなかなくて宮古は美術館とかもないんですよ。そういったことを仕事にしている人たちが宮古島にも、宮古島を出た県外にもいるんだよって言うのをこのイベントを通じて知ってもらいたいなと思って」

宮古島には、大学や専門学校がなく、進学するには高校を卒業後、一度島を離れて生活しなければなりません。場所にとらわれないクリエイターという仕事で生活している先輩たちの姿を見てもらいたいと、そんな思いで去年夏にイベントを企画し、会場の手配や出展するクリエイターの募集などを行ってきました。
会場では出店のほか、子どもたち向けのワークショップも開催。実際に飾りつけなどを体験してもらい、子どもたちの熱心に取り組む姿が見られました。
母「好きなのいっぱい乗っけた?」
女の子「うん。なんか真ん中足りなかったから足した」

Qワークショップみたいな仕事どうだった?
女の子「やってみたい」
母親「初めてやったので、私もどんなふうに作るかわからないので、いい経験になったかなと思います」
このほか、クリエイター手作りのゲームなど子どもたちが楽しめる仕掛けが施され、主催の砂川さんを始めとした、地域のボランティアが一体となってイベントを成功させました。

砂川さん「自分の作ったものがただ形になるだけじゃなくて、誰かの手元にわたって、お金になるっていうところの体験までこのイベント通じて色々やっていきたいなと思います」
さまざまな仕事で働く楽しさを味わってもらいたい、砂川さんの取り組みはこれからも続きます。