第71回別府大分毎日マラソン(大分市の高崎山・うみたまご前スタート~大分市営陸上競技場ゴール)が5日に行われ、市山翼(26・小森コーポレーション)が2時間7分44秒の日本人トップ3位でフィニッシュ。

優勝はイブラヒム・ハッサン(26・ジブチ)。西山雄介(28、トヨタ自動車)がマークした2時間7分47秒の大会記録を上回る2時間6分43秒でゴール。さらに青山学院大の横田俊吾は2時間7分47秒の4位で、マラソン日本学生記録を20年ぶりに塗り替えた。

スタート時の気温は8.3度、北の風2.2mと走りやすいコンディションの中でのレースとなり、序盤は海外招待選手の3人を含む50人ほどの先頭集団に。参加選手中ただ1人2時間6分台の記録を持つハーフマラソン日本記録保持者の小椋裕介(29・ヤクルト)は集団の中央付近での位置取りに。

先頭集団は10キロを30分3秒で通過し、5キロ以降の1キロのラップは3分前後のペースとなった。15キロは45分5秒で通過。スタートからここまで5キロをほぼ15分のペースで刻み、集団は39人に。小椋はペースメーカーのすぐ後ろにつき、10000m前日本記録保持者で初マラソンの村山紘太(29・GMOインターネットグループ)ら国内招待選手も勝負の後半に向け安定の走りを続けた。

折り返し地点で先頭が1時間3分25秒で通過すると、村山が集団から遅れはじめ25キロ付近で左足を何度か叩く場面が。さらに20年優勝のハムザ・サハリ(29・モロッコ)は右太ももを抑えながら走るのを止める場面もみられ、先頭から離れてしまった。集団は徐々に縦長になると、26キロ過ぎでは小椋が先頭から遅れはじめ、一度は先頭集団の中に戻ったが、29キロ過ぎで突き放されてしまい苦しい展開に。

30キロ地点でペースメーカーが外れると、外国人招待選手のイブラヒム・ハッサン(26・ジブチ)、ダニエル・キプチュンバ(25・ケニア)が前に出て、市田孝(30・旭化成)、市山翼(26)ら12人の日本人選手がついていった。

37キロ地点で小山司(32・SUBARU)らが6人の集団で先頭の2人を追い、38キロ付近では聞谷賢人(28・トヨタ紡織)、木村慎(28・Honda)、市山の3人が前に出て青学大の横田が猛追。勝負は最後のトラックでの戦いとなり、市山が苦しい表情を見せながらも後ろの3人を振りきりゴールテープを切った。

レースを終えた市山は「これまで何度かマラソンを走らせていただいてMGCの出場権が取れなかったんですけど、日本人トップを狙っていたのでうれしい」と喜びを噛みしめた。さらにマラソングランドチャンピオンシップ(MGC、10月)の出場権を獲得し「MGCはオリンピックに向けての第一歩だと思っている」と世界の舞台に向け今後を見据えた。

今大会は世界陸上ブダペスト(8月)の選考レース、さらにパリ五輪代表選考会となるMGCへのチャレンジレースの1つとなり、市山を含めこの日6人がMGCへの出場権を獲得した。

【別府大分毎日マラソン結果】
優勝 イブラヒム・ハッサン 2時間6分43秒※大会新
2位 ダニエル・キプチュンバ 2時間6分48秒※大会新
3位 市山翼 2時間7分44秒(MGC)※大会新
4位 横田俊吾 2時間7分47秒※日本学生新(MGC)
5位 聞谷賢人 2時間7分53秒 
6位 木村慎 2時間7分55秒(MGC)
7位 小山司 2時間8分00秒(MGC)
8位 丸山竜也 2時間8分26秒
9位 安井雄一 2時間8分48秒
10位 作田直也 2時間9分06秒(MGC)
11位 市田孝 2時間9分15秒
12位 中西亮貴 2時間9分34秒
13位 村本一樹 2時間9分41秒(MGC)