天下の奇祭、愛知県稲沢市の「国府宮はだか祭」が、いよいよ、あす(2月3日)、3年ぶりに裸男たちの「もみ合い」が行われるのを前に、きょう(2日)大鏡餅が奉納されました。神社周辺の店舗でも期待が高まっています。

(報告:藤井祐輔記者)
「華やかに飾り付けられたトラックに載って、大鏡餅が第二鳥居の前に到着しました」

きょう(2日)午後1時頃、トラックで稲沢市の国府宮・第二鳥居前に到着した「大鏡餅」。あす(3日)行われる「国府宮はだか祭」のシンボルでもあります。

ことしの「神男(しんおとこ)」、矢澤謙二さんも参加した1月の大鏡餅作り。米50俵でつき上げた餅の直径は約2メートル40センチ。毎年、祭りに餅を奉納している奉賛会などが持ち回りで作りました。

参道を引かれていく大鏡餅。

(報告:藤井祐輔記者)
「4トンもある大鏡餅が、たくさんの人によって引かれ、ゆっくりと着実に参道を進んで行きます」

二つ重ねの丸餅の上に菱餅が二つ。一番上には羊かんで作った「だいだい」が載せられています。そして、国の重要文化財の「楼門」をぎりぎり通過…。

(報告:藤井祐輔記者)
「今、クレーンによって4トンの餅が持ち上げられ、ゆっくりと拝殿の中へ入っていきます」

午後3時、拝殿へ納められました。

(参拝客)
「素晴らしい。伝統が詰まっているみたい。あすも、また来ます」

刻一刻と迫ってきた3年ぶりの「もみ合い」。下帯姿の裸男(はだかおとこ)たちが「触れると厄が落ちる」といわれる神男をめがけて密集します。

新型コロナの影響で2年連続中止となっていましたが、ことしは感染対策をしながらの開催となります。裸男たちはマスク着用。飲酒禁止です。

きょう(2日)、国府宮近くの鉄板焼きの店を訪ねると…。

(てっぱん茶屋 廣瀬慎也店長)
「大歓迎ですね。裸のもみ合いをして、人の心も明るくなってくると思う」

歴代の神男たちも訪れているこの店。祭り当日は、これまで多くの観光客でにぎわいました。

(てっぱん茶屋 廣瀬慎也店長)
「年間で一番、来店客が多い日。夜まで合わせたら100人くらいが来店する」

もみ合いが中止となった去年、おととしは例年の祭り開催日の半分ほどの来店客数。しかし、あす(3日)は特別メニューを用意して、大いに期待。

(てっぱん茶屋 廣瀬慎也店長)
「提供しやすいように人気メニューを厳選した」

混雑しても手際よく提供できるように、普段の人気メニューから厳選したものを特別メニューにしたとのこと。一方で新型コロナへの対策も。

(てっぱん茶屋 廣瀬慎也店長)
「パーティションを用意したり。あまりにも、お客さんが多いようであれば入場を制限したり」

店長の廣瀬さんは、もみ合い復活への思いを改めて…。

(てっぱん茶屋 廣瀬慎也店長)
「文化として、すごく大事にしたいですし。文化にあやかって店も繁盛したらなと思う」

一方、お膝元の酒店では。

(リカーショップはら 原勇二店長)
「最大の喜びでしょうね。やっと帰ってきた!」

店長の原さんは3歳の頃から、はだか祭に参加。約60年、毎年のように参加してきた「レジェンドはだか男」。

2日の朝は、それぞれの地区が鏡餅を奉納する際に備える樽酒を準備。しかし、ことしは裸男たちの禁酒がルールですが…。

(リカーショップはら 原勇二店長)
「街全体が盛り上がっている。アルコールの売り上げも、色々な“つながり”があって上がっている」

もみ合い復活を祝い、すでに手土産用の酒を購入する地元の人が多くいて、コロナ禍前と同じくらいの売り上げに戻したと言います。さらに…。

(リカーショップはら 原勇二店長)
「私どもが代わりに、お酒を国府宮に奉納する」

10年ほど前から、祭会場に足を運べない年配の人や遠方の人にかわって神社に酒の奉納を行っているそうです。そして、神社から受け取った「お下がり」は、後日依頼主へ。「代理奉納」というわけです。では店長の、あす(3日)の予定は?

(リカーショップはら 原勇二店長)
「(もみ合いに)でます!精一杯、国府宮の注意事項を守りながら参加して、ご奉仕させてもらいたい」