福島第一原発事故からまもなく12年。東京電力は31日、福島県内の自主避難区域も対象とした追加賠償の具体的な内容を初めて示しました。
支払いの対象者は148万人、賠償の総額はおよそ3900億円にのぼる見通しです。原発事故の賠償基準となる「中間指針」について、去年12月、国の審査会はおよそ9年ぶりに見直しを行い、賠償の範囲を大幅に拡大した新たな指針を取りまとめました。

これを受け、東京電力は31日、追加賠償の金額や対象の地域などの概要を発表し、支払いの対象者は148万人、賠償の総額はおよそ3900億円にのぼる見通しを明らかにしました。
対象者のうち居住制限区域や避難指示解除準備区域などの住民には、1人280万円を追加で賠償。

また、2011年12月末までに福島市や郡山市など県内23市町村の「自主的避難等対象区域」で生活していた子どもと妊婦以外の住民に対しては、すでに支払われた12万円を除く8万円を追加で支払います。

さらに、国の賠償基準には含まれなかった県南地方と宮城県丸森町についても、追加で6万円を賠償するとしています。

【東京電力福島復興本社 内田正明副代表】
「なるべく早期に確実に賠償金をお支払いさせていただくことを目的に取り組んでまいりたい」
東京電力は、具体的な手続きや支払い開始の時期などについては「3月中をめどに示したい」としています。
【追加賠償の対象は?】

東京電力が公表した追加の賠償基準について詳しく見ていきます。対象となる地域を地図で見てみると、「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」に住んでいた人に対しては、過酷な避難を強いられた損害30万円と、生活基盤が変わった損害250万円の合わせて280万円が追加で賠償されます。
また、オレンジ色で示された「自主的避難等対象区域」では、2011年の震災当日から2011年12月末の間、福島市や郡山市など県内23市町村に住んでいた「子どもと妊婦以外の人」には、自主的避難などにかかった損害として20万円を賠償します。
ただし、これまでに12万円がすでに支払われているので、その額を差し引いた8万円が追加で賠償されます。
さらに、国の賠償基準には含まれなかった水色で示された地域、県南と宮城県丸森町の10の市町村についても対象に加え、1人6万円が支払われます。

東京電力によりますと、現時点での支払い対象者は148万人。賠償の総額はおよそ3900億円に上る見通しです。東京電力は、賠償の支払い開始の時期、手続きなどについては「3月中をめどに示したい」としています。
東京電力では、追加賠償に関する相談専用ダイヤル(0120-926-470)を設置し、問い合わせを受け付けています。














