韓国・尹錫悦政権の北朝鮮に対する強硬な姿勢が目立っています。北朝鮮が神経を尖らせる軍事境界線付近での「宣伝放送」の再開の検討や、北朝鮮工作員との接触疑惑で国内最大規模の労働組合の捜査にも乗り出しています。
記者
「北朝鮮の目と鼻の先にあり、かつて宣伝放送が行われていた韓国の村です。今はとても静かです」
北朝鮮までわずか2キロあまりの韓国北部・喬桐島。かつてスピーカーが置かれ、北朝鮮への「心理戦」とも言える宣伝放送が大音量で流されていました。北朝鮮も同様の宣伝放送を行っていましたが、2018年の南北首脳会談の直前、韓国側が中止。スピーカーは撤去されましたが、先月のある事件が韓国政府の態度を変えます。
韓国 YTNのニュース
「領空に穴が開いた5時間、軍はお手上げ状態だったという指摘は免れません」
北朝鮮の無人機が首都ソウルの上空に侵入。韓国軍は撃墜に失敗、批判が高まったこともあり、保守系の尹錫悦政権は危機感を強め、強硬姿勢をより鮮明にしているのです。
韓国・尹錫悦大統領は。
「圧倒的に優越した戦争の準備をしなければならない」
また、韓国メディアによると、政権は、北朝鮮が神経を尖らす宣伝放送の再開も検討しているということです。
かつて、北からも南からも大音量の放送を聞かされていた韓国・喬桐島の住民は。
「やめろって言って!あっち(北朝鮮)もこっち(韓国)も、せわしなくて眠れなくなる」
「心配になるが仕方ない。国がやることだから」
さらに今週、情報機関「国家情報院」と警察は、国内最大規模の労働組合の本部に捜索に乗り出しました。韓国メディアは、組合幹部が北朝鮮の工作員と接触、反政府活動を行ったとの疑惑に基づく捜査だとしています。
一方、北朝鮮では、今週、立法機関にあたる最高人民会議が開かれ、「平壌文化語保護法」が採択されました。北朝鮮では、韓国ドラマなどを密かに見る若者が増え、韓国風の言葉遣いが広まっているとされ、規制するのが目的とみられます。
ただ、北朝鮮の新年を祝うコンサートで歌われたある曲に対し、韓国からは疑いの目が。北朝鮮の歌手が歌うのは「我らをうらやめ」という曲。このメロディについて、複数の韓国メディアは、韓国のアイドルグループの曲の盗作ではないかと指摘しているのです。
文化をめぐっても南北対立が続く朝鮮半島。金正恩総書記は、2週間ほど国営メディアで動静が伝えられていませんが、次の一手を考えているのでしょうか。
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