黒いダイヤとも呼ばれるクロマグロが今、厄介者とよばれています。「マグロはたくさんいるのに獲ってはいけない」という現実がありました。

きのう、賑わいを見せていた都内の飲食店。

こだわりの食材は…

田無漁港直売所 早津茂久 社長
「こちらクロマグロです」

高値で取り引きされることから“黒いダイヤ”とも呼ばれるクロマグロ。

各地の漁港から直接取り寄せたマグロが、刺身や握りで振舞われます。

お客さん
「溶けちゃった!もっと噛みたかったのに」

お客さんには大人気のクロマグロですが、お店にとって、ある困った状況が…

田無漁港直売所 早津茂久 社長
「マグロの仕入れ量が増えず数が少ないので、そうなると当然値段は上がる」

マグロの仕入れが少なくなっていることから、豊漁で安かった5月と比べると価格は倍に。

ただ、今、マグロが取れないわけではなく、むしろ数は増えているんです。

ではなぜ、飲食店は満足な量を仕入れられないのか。北海道の漁師・中村さんは…

ツガイナカ中村漁場 中村忠相さん
「漁獲量ですね。枠がいっぱいになっちゃうので、すぐ。少しずつマグロを出すしか、今、そういう状況が続いている」

クロマグロは国際的な取り決めで1年間でとっていい量が決められていますが、豊漁のため日本の一部の地域では既に上限に達し、マグロがこれ以上とれないところもあるといいます。

漁師の中村さんが行っている定置網漁は時期によってはマグロ以外の魚をターゲットにしますが、多い時には網の中に1000匹ものマグロが入ってしまい選別が難しいため、全て放流しなければならない事態に。

ツガイナカ中村漁場 中村忠相さん
「本当は(今は)ブリを取ったり、イカを取ったりしたいですけど、これだけマグロがいると他の魚が全くもって取れない」

魚の水揚げがゼロの日が5日間続いたこともあったといいます。

ツガイナカ中村漁場 中村忠相さん
「黒いダイヤとか言われてたんですけど、今は何ですかね、黒い厄介者ですかね」

厄介者扱いまでされるクロマグロの数に応じた漁獲枠を新たに議論するため、長崎ではきのうから国際会議が開かれています。

日本側は、太平洋でとれる大型のクロマグロの漁獲枠を25%増やす案を提示する方針ですが、アメリカなどが資源保護の観点から慎重姿勢のため、この提案が通るかは不透明です。

クロマグロはダイヤの輝きを取り戻せるでしょうか。