30日に開幕した第31回全日本高校女子サッカー選手権。最多タイの5度の優勝を誇る静岡県の名門・藤枝順心高校は2大会ぶりの選手権優勝に挑む。
ストライカーとしてチームの中心的存在であるFW正野瑠菜選手(3年)は今大会注目選手の一人。大会前の取材では、前菜からデザートまでつくる、本格的な調理実習をおこなっていた。
正野選手:
得意料理はパスタとリゾットです。選手権では毎試合点を取ってチームを勝利に導きます!
チームの合言葉は「順心、No.1」だという国内屈指の名門校。文字通り、同大会でこれまで5度、“No.1”に輝いている。前回大会は準決勝で敗退したが、正野選手は積極的にゴールを狙い2年生ながら全試合に出場、得意のドリブルでチームをけん引した。
正野選手:
(最後の選手権は)点を決めて観ていて楽しいプレーをしてカッコイイ姿を見せたいです。
正野選手がサッカーを始めたのは幼稚園の頃。小学1年生の時にはすでにボールを持てばガンガン仕掛ける、“ドリブル大好き少女”だった。自分より体が大きな男の子を前にしても、一歩も引かない。そんな負けず嫌いな性格も、当時から変わらないそうだ。
サッカーを始めたきっかけは、家族だった。
正野選手:
お兄ちゃんのサッカーの練習の見送りに行く時に、お父さんに誘われて練習に行ってみたら楽しくて。
五人兄妹での正野家はサッカー一家。次男・麗亜琉(れある)くんはレアルマドリード、三男・羅羽琉(らうる)くんはスペインのレジェンド、ラウール・ゴンザレスにちなんで名づけられた。
大家族といえば、ワールドカップのドイツ戦で決勝ゴールを決めた浅野拓磨選手(28)も7人兄妹。兄妹が多かったからこそ今がある、と浅野選手も話す。
浅野拓磨選手:
兄妹にこうやってサッカー仲間がいるというのは、すごく良い環境だと思います。弟には絶対に負けたくないし、兄貴を絶対抜かしたいし。学校から帰ってきて友達と競争して、家に帰ってきてまだ競争する相手がいるので、その環境は、兄妹がいないとない環境だと思います。友達だけでは絶対にないと思うので。
正野選手の地元は、山形県新庄市。冬は辺り一面、雪景色だ。新庄駅から車で15分程の実家を訪ねると、家の前には大きな倉庫があった。中は、小さなサッカーグラウンドになっている。人工芝が敷かれ、さまざまな練習道具が備えられている。
正野選手が4歳の頃、父・貴幸さんは子どもたちがいつでもサッカーをできるよう、倉庫を練習場に変えた。
父・貴幸さん:
こっちは雪が多いので、練習場所の確保が難しくなっちゃうなと思ったので、それだったら人工芝を敷いちゃえって。
兄妹は競い合うように、倉庫で練習したという。
正野選手:
お父さんが真ん中に立っていて、それを抜くとか。ドリブルとかはあまり考えないで、足が出てきます。お父さんも自分のためにやってくれていたしその期待に応えたかったので、頑張れました。
もっと上手くなりたいと願った彼女は、静岡にある藤枝順心への進学を決意した。
母・由美子さん:
新幹線に乗って行くって時にみんなとハグして、本人も、みんな家族も泣いて送り出したという感じでした。
送り出してくれた家族は、遠く離れたふるさとから、いつも応援してくれる。選手権開幕前には、正野選手の元にビデオレターが届いた。
父・貴幸さん「瑠菜、元気か~?」
母・由美子さん「中々会えなくてさみしいけど、頑張ってね」
妹・玲有ちゃん「(選手権)優勝目指して頑張ってね」
三男・羅羽琉くん「サッカーを楽しめ!」
次男・麗亜琉くん「選手権頑張れ!」
ビデオレターを見た正野選手は…
正野選手:
頑張ります。毎試合、点を取って、チームを勝たせられるようにするのと、サッカーを楽しんで優勝したいです。
30日の初戦では、新潟・帝京長岡戦(北信越3/新潟)に4ー0で圧勝。正野選手も2ゴールを決め、好スタートを切った。2大会ぶりの日本一奪還へ、藤枝順心の冬が始まる。














