イラン出身で、日本で俳優や司会、慈善活動にも積極的に取り組む、サヘル・ローズさんが、東京・渋谷での映画イベントで、戦争や外国人排斥についての考えを語りました。
東京や大阪で行われている「TBSドキュメンタリー映画祭」で上映されている『死刑宣告の女性弁護士 アフガンからの脱出』のゲストとして舞台に立ったサヘル・ローズさん。イラン・イラク戦争に巻き込まれ、戦争孤児になった経験を持ちます。
現在のイランをめぐる情勢について「今起きていることはとても複雑」と自らの心境にあるもどかしさを露わにしたうえで、人道的な見地から「人々の自由や、女性が置かれている現実では、生きる権利などあたりまえのものを持てない人が世界にたくさんいる」と指摘しました。
その上で、映画を観た日本人を中心とする人たちに対して「日本で私たちは問題提起ができるが、明日にはできなくなるかもしれない。発言できる時に、声を出していかなければと強く思う」と訴えました。
戦争によって生じる難民や、受け入れ国で起きる排外の動きについて、「祖国を離れたい人などいない。受け入れる異国にも限度や不安がある」と整理した上で、日本でも、難民や仮放免といった言葉やデータで伝えられることのある報道について「数字で見るのではなく、難民にも人格があって、名前がある人間だということを知ってもらいたい」と自らの経験をふまえ語りました。
サヘルさん自身の難民支援活動について、大切にしていることは「教育」だと力を込め、「難民に対して可哀そう、大変だという言葉では社会を変えていかない。どのように教育の環境を作っていくかだ」「日本の皆さんは、文字を読めて書けて、映画の字幕がわかる。これがどれほど宝物なのかを感じてほしい」と理解を求めました。
また、世界各地で起きている戦争や紛争がもたらす混乱を「無関心が生んだ結果が、今世界中で起きている。戦争、ヘイト、差別。傍観者でいることは、加担者だと思う」「政府のトップの発言は国民にも責任が自然と降りてくる。関心を持って(ひとりひとりが)意見を主張をすること、対話をすることを放棄しないでほしい」と呼びかけ、観客から拍手を受けました。
この日上映された映画は、TBSテレビの加古紗都子監督による『死刑宣告の女性弁護士 アフガンからの脱出』で、アフガニスタンで弁護士として活動してきた女性を通して、難民を取り巻く世界の動きを取材したドキュメンタリーです。全国6都市で上映されています。
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