文化財登録10年を迎える愛媛県今治市の「今治ラヂウム温泉」について、新たな見解がまとめられ、市に報告されました。
「今治ラヂウム温泉」は、今治市大島出身の実業家・村上寛造が、1919年に建設した複合施設の一部です。映画館を中心とした娯楽施設で、2026年で建てられてから107年となります。太平洋戦争では防衛隊の本部が置かれ、市内の8割が焼失した今治空襲でも被害を免れました。
そして、2014年、浴場の休業後に閉館し、2年後の2016年には、国の有形文化財に登録されました。
(今治ラヂウム温泉・村上恵理さん)
「公衆浴場として公共空間として市民とともに今治空襲を乗り越え、100年間歩んできた歴史は、地域固有の歴史でありストーリーが独自の魅力を感じます」
登録から10年となるのに合わせ、専門家による新たな見解が地元の今治市に報告されました。
それによりますと、建物のいたるところに船を象徴するデザインが施されているということです。正面の塔は船首の形で構成されているほか、玄関の屋根と塀が、波の形状をしています。
(今治ラヂウム温泉・村上恵理さん)
「波の上を船が進むデザインが再現されている」
一方、2024年4月、豊後水道を震源とする地震で、今治も震度4の揺れに見舞われ、この建物にも壁にひびが入るなど、影響を受けました。
「今治ラヂウム温泉」は、所有者のみでの保存活用は困難だとして、この日は、市の担当部署に連携に向けた要望書を手渡しました。
(今治市総合政策部交流振興局・越智教朝局長)
「戦災で残ったことで非常に価値のある建物だと実感しています。個人の所有物であるので、しっかり検討したい」
戦災を乗り越え、日本の近代化と地元の歴史文化を物語る「今治ラヂウム温泉」。継承への模索が続きます。
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