北海道・知床半島沖で2022年4月、観光船「KAZUI(カズワン)」が沈没し、乗客乗員26人が死亡または行方不明となった事故。

運航会社の社長で安全統括管理者の桂田精一被告62歳が、乗客乗員を死亡させた業務上過失致死の罪に問われています。

釧路地裁で開かれている公判は、2日で8回目。

午前は乗客家族や死亡した船長の妻などの供述調書が読み上げられ、「船長に全ての責任を押し付けているように見える」といった乗客家族の心情や、船長の妻の「乗客や家族に夫に代わって謝罪したい。桂田被告は事件後も自分の心配ばかりするようなことを言っていた」といった証言が明らかになりました。

息子を亡くした男性(2日正午ごろ)
「突然殺された。毎日苦しくてつらくて、桂田被告を追及して質問に必ず回答させるように、その気持ちで私も含めてみんな来ている」

そして、午後からは桂田被告に対する被告人質問が始まりました。

弁護人
「午前中に被害者家族の調書を聞いて改めて感じたことは?」

桂田被告
「事故を止められなかった重さを痛感した。どのような言葉も十分ではないが改めて、お詫び申し上げます」

傍聴席に向かって1度頭を下げ、謝罪から始まった弁護側の被告人質問。

桂田被告は運航管理者として出航を判断するにあたって、「自分で天気をある程度調べて、結論を出してから船長と確かめ合う。船長と出る出ないでもめたことはない」。

「当日の朝は港が見える場所で船長と話し、午前中に帰ってこられるのであれば、天候が運航基準の範囲内だと確認した」などと話しました。

被告人質問は、4日まで3日間行われる予定で、3日は検察が桂田被告に質問します。

堀啓知キャスター)
裁判では運航会社社長で運航管理者の桂田精一被告が、事故を予見できたのかが、最大の争点になっています。

世永聖奈キャスター)
2日、法廷では桂田被告が弁護人からの質問に答えました。

世永キャスター)
桂田被告は運航管理者として、事故当日の朝の出航判断について、「港が見える場所で船長と話し『午前中に帰って来られるのであれば、運航基準の範囲内だ』と確かめ合った」と話しました。

また当時、強風注意報が出ていたことの認識について、「ポイントで見られる『沿岸波浪予報』などを見て、午前中であれば基準値以内に戻れるとみて、「知床岬コース」は午前中に戻ると判断した」と述べました。

そして、海水が船内に浸入して、沈没の要因として指摘されている、KAZUⅠのデッキに設置された出入り口=ハッチが密閉しない不具合については「船長から報告を受けていない」とし、国の検査を代行するJCI=日本小型船舶検査機構の検査には「立ち会っていない」と話しました。

世永キャスター)
きょうの法廷を終えて、傍聴した家族の声が入りました。

息子を亡くした男性(2日午後6時前)
「海保の長所も否定から入って全面否定。少しくらいは認めてもらいたいと思った。きょう否定したことがあすからの質問で、うそが暴露されていけばいい」

堀内キャスター)
裁判は、3日検察からの被告人質問、4日は、家族からの質問が予定されています。