3年連続、一番乗りで年賀状を投函した青森市の石川タミさん。年賀状を出すのは「生きがい」と表現するほどです。こだわりを持って、年賀状を出し続ける理由、そこには家族と交わしたある約束がありました。


※石川タミさん(当時65歳)
「(購入したのは)100枚です。手書きで書くのが趣味というかうれしくて、もう時期だなって。感動で今晩から早速書きたいなって思っています」

いまから17年前、2005年にタミさんが年賀はがきを購入している様子です。一番乗りで買い求めるのは、この時が初めて。そこから一途に歩んできました。

※石川タミさん(82歳)「懐かしい。こういう時もあったんだなって思い出す。継続するって気持ちは変わらないので書き続けるんだよ。このままでいれば。あすにどうなるかわからないけど」

タミさんが一番乗りを目指していたのはもともと、年賀状ではなく選挙の投票でした。最初に一票を投じた人が全国ニュースで取り上げられるのを見て、真似をしたといいます。

※石川タミさん(82歳)「それから火がついて、選挙でずっと何十年も一番投票だった。『年賀状も挑戦しようかな』と言ったら、(夫が)がんばれって」

こうして、2005年から始めた挑戦。購入は、2006年と9年にトップを逃しますが、2010年からは13年連続で1位を守り続けています。一方、投函はライバルが多いためか2006年、9年、そして2015年、17年、19年の5回は出遅れましたが、あとの13回は1位でした。

歳を重ねて、体力の衰えを感じるときもあるといいますが、タミさんには書き続けなければいけない理由があります。

※石川タミさん「お父さん(夫)がまだ生きている時『(年賀状を)やめないで続けろ』と目を落とす寸前、『がんばれよ』と一言。私に対してお父さんの言葉、涙出た。がんばって書き続けなさいって、意味だよね」

13年前に他界した夫・武夫さんの言葉を胸に歩んできたタミさん。ここ数年は、また新たな悩みを抱えるようになりました。

※石川タミさん「相手からもコロナ禍で連絡あった、「(年賀状を)やめましょう」と。やらなくなると心さびしいのさ本当の話」

多い年は100枚ほど書いていた年賀状は、いまでは30枚。それでもこれまでと同じように、一枚一枚を大切に。誇りを持って続けてきたタミさんにとっての一年の集大成です。

※石川タミさん「一つの誉として、生きがいとして、来年もまたがんばろうと気持ちは忘れられない。その気持ちだけ持っていれば大丈夫。自然と体がついてくるものだよ」