歌舞伎を舞台にした映画「国宝」。実は、北海道にも歌舞伎文化がありました。
・映画を見た人
60代「3時間ちょっと長いかなぁと思ったけどアッという間でした」
20代「ネットでおもしろいとあったので見に行きました。きれいだったのと、大変な世界だなぁと思いますね」
今年6月に公開された映画「国宝」が、邦画実写の興行収入、歴代1位を記録。今もロングラン上映中です。
吉沢亮さん演じる主人公、喜久雄は、歌舞伎の名門の家に引き取られ、生まれながらに将来を約束された御曹司と出会います。
互いにライバルとして高めあっていきますが…やがて2人の運命の歯車は、大きく狂いだします。
血筋と才能、もがき苦しみながら、国宝へと駆け上がるのか?

・映画を見た人
20代「動きがきれいだなって思いました」
10代高校生「役者さんの迫力がすごくて、映画への没入感がすごかった」
10代高校生「歌舞伎を目の前で見られるならぜひとも見てみたい。仕掛けとかも豪華でした」
歌舞伎というと、東京の歌舞伎座が有名ですよね。北海道とは、縁遠いような気がしますが…実は、北海道にもかつて歌舞伎文化があったんだとか。
北海道に歌舞伎文化があったの知ってますか?

60代「はい、知ってました。篠路歌舞伎。篠路の保育園とかでやってるのを知ってたので」
北海道に歌舞伎文化があったことを知っていると答えたのは50人中2人。専門家によりますと…

・北星学園大学文学部 高橋克依教授
「北海道には、歌舞伎文化がありました。今の札幌市の北側にあった篠路村というところがありまして、『篠路歌舞伎』というのがありました」

篠路歌舞伎は、123年前の1902年(明治35年)に始まりました。指導したのは、山形県から篠路村に入植した大沼三四郎さん。

・北星学園大学文学部 高橋克依教授
「大沼さんは、根っからの芝居好きで、プロの役者を目指していたこともあったようで、仕事の合間を見つけては、東京まで何度も足を運んで、実際の芝居を見たりして研究に余念がなかったと言われています」
「篠路歌舞伎は、非常に質の高さから、近隣の村からも見学者が訪れていたとか地方に巡業をして歩いたこともあると、こどもたちとか若者たちに歌舞伎などの日本の伝統芸能に親しんでもらいたい今回の映画『国宝』は絶好の機会でしょう」

▼篠路で歌舞伎が始まった理由?
篠路歌舞伎が始まった理由は当時、村の若者の中には、農閑期に博打をするものがいて博打より健全な歌舞伎に目を向けてもらおうということで始まったそうです。
歌舞伎の活動をすることで、村の若者全員に役割が当たり団結心も養われたということです。
▼篠路歌舞伎のその後

篠路歌舞伎は、1934年(昭和9年)に一旦幕を下ろしますが、40年前、1986年(昭和61年)に「篠路歌舞伎保存会」が支援して「篠路子ども歌舞伎」として復活。今も篠路中央保育園の子供たちに受け継がれています。
観た人によると、長いセリフも見事に演じ切って素晴らしい

毎年、秋に篠路文化祭の一環として篠路コミュニティセンターのホールで上演されるということで、一般の方も無料で観覧できます。
伝統芸能の魅力が若い人たちに伝わって新たな力で発展していくといいですね。














