テレビ局には番組を観た視聴者から様々な声が寄せられる。TBSテレビの「視聴者センター」は、こうした声を集約し番組制作の現場にフィードバックさせるのが仕事だ。担当者が寄せられた“声”の一端を紹介する。
猛暑が去り、秋らしい過ごしやすい季節となりましたが、急な冷え込みもあったりと、穏やかな気候を感じる時間が短くなったように感じます。
さて、10月は政局の動きを伝える番組が目立ち、それを受けて政治に関するご意見が非常に多く寄せられました。この時期に届いたご意見のおよそ3割が政治に関連するものでした。
まず、番組の報道姿勢や取り上げ方に関するご意見がとても多く届きました。その代表的なものが、「公平に取り上げてほしい」というご要望です。
「コメンテーターや司会者の意見が偏っている。ゲストが政党関係者だからといって遠慮しないで、情報発信者として公正な発言をするべきです」(30代女性)
「一方に偏らず、公正に意見を述べるコメンテーターがでているので好感を持っています」(40代女性)
「批判ばかりでなく、応援するようなコメントも取り上げてほしい。少しはよいところを取り上げてくれないと、視聴者は不安になります」(50代男性)
これらはいずれも同じ番組に寄せられたご意見ですが、「公平さ」の捉え方には多様な視点があることを痛感させられます。
番組制作の現場は、常に公平さを保つことに目配りし、トータルでのバランスを心がけています。今後も、公平性や、コメントの妥当性を追求するとともに、メディアに求められる多角的な視点を提供するという役割も果たしていくために日々努力を重ねていきます。
番組へのご意見だけでなく、国内政治の動向、特定の政党や連立の可能性についての評価や、期待、懸念など、ご自身の考えや見解を主とするご意見も非常に多く寄せられました。
連立政権の話題を伝えていた際には、特定の政党名をあげてのご意見が多くを占めました。
「この二つが連立を組んだらがっかりです。期待できず、失敗してしまうと思います。それで別の党が勢いづいてしまうと思うととても心配です」(50代女性)
「なぜ政党よりも政局を大事にするのでしょうか。議員の後ろには有権者がいます。その党を支持しているのに、首班指名で他の党の代表の名前を書くのは納得できません」(70代女性)
また、個別の政治家の倫理観や言動などをあげ、その人物が要職に就く可能性について強い懸念を示すご意見も目立ちました。一方で、支持する政治家への批判的な見解が報じられた際には、「悪く言い過ぎている」といった擁護のご意見も寄せられています。
このように、政治について寄せられたご意見は非常に多岐にわたりますが、総じて視聴者の皆様の関心度が極めて高いこと、そして、番組をご覧になってご自身の見解を強く意識される方が大変多いことを改めて認識しました。
なにより、たくさんの方がTBSの番組を選んで意見を寄せてくださること、大変ありがたく感じます。皆様のご意見は、今後も全て目を通して制作現場に届けてまいります。
〈執筆者略歴〉
浜崎 由佳(はまざき・ゆか)
1995年TBS 入社。
ラジオ局、報道局、事業局などを経て、編成考査局。現在カスタマーサクセス室長。
【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版のWebマガジン(TBSメディア総研発行)。テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。原則、毎週土曜日午前中に2本程度の記事を公開・配信している。














