冬の味覚として珍重されるハタハタ。ブリコと呼ばれる卵を食べるのを楽しみにしている人もいらっしゃると思います。青森県鯵ヶ沢町では今年まだハタハタの水揚げがなく、漁師たちが本格的に水揚げが始まる日を待ち望んでいます。
9日朝の鰺ヶ沢漁港。漁師たちが防波堤近くに設置した定置網を引き上げています。ただ、水揚げを期待していた冬の味覚、ハタハタの姿はなく、なにも水揚げはしないまま港へ戻ってきました。
※第一かおり船の船長は
「おとといは3匹。きょうはゼロ」
地元の漁師によりますと、10年ほど前まで鰺ヶ沢でハタハタの水揚げが本格的に始まるのは12月上旬とされてきました。産卵のため岸壁近くまで回遊してきた群れを定置網で捕獲しますが、近年は回遊する時期が遅く12月中旬になってようやく、獲れるようになっています。
※第一かおり船の船長は
「深浦で2000箱をトロール漁で獲っているので、(鰺ヶ沢の水揚げは)だいたい13~14日あたりかな」
漁師たちが懸念しているのは、8月の大雨の影響です。定置網を仕掛けている中村川の河口周辺の環境が変化していないか気をもんでいます。
※第一かおり船の船長は
「災害で沿岸の(産卵場所に)泥がありそうゆう関係もなきにしもあらず」
青森県内のハタハタの漁獲量は、2016年は約950トンありましたが、2020年、2021年は2年連続で5分の1以下、170トン程度にとどまっています。鰺ヶ沢町のハタハタ漁は12月下旬までと限られているため、漁師たちは10日以降まとまった量の水揚げがあり浜が活気づくことを待ち望んでいます。