原爆資料館に整備される「子ども向け」の展示スペースについて、展示の一部は子どもたちが選べる「選択展示」とする案が示されました。

原爆資料館では、修学旅行生などが館内の混雑に影響されず、平和学習ができるよう、東館地下1階に小・中学生向けの展示スペースを整備します。

検討会議でははじめに資料館を訪れた子どもたちの心理に関する調査結果が報告されました。悲惨な写真や絵などをみて「怖さ」を感じすぎると、小学生では、来館意欲の低下や「もう見たくない」と回避する傾向がみられ、平和を考える動機付けにならない場合もあるということです。

展示スペースについては、「被爆前」「被爆直後」「被爆後」に分ける案が示されました。

「被爆直後」の悲惨な展示の一部は、子どもたちが見学するかどうかを選べる「選択展示」としています。

また「被爆後」は「原爆の子の像」や復興期のカープに関する展示など、平和を前向きにとらえる内容にするということです。

展示検討会議 広島大学理事・副学長(教育・平和教育)鈴木由美子 委員長
「何人かの子どもたちは怖いものを見たことで、『もう二度と行きたくない』『人にもすすめたくない』と思う子がいることが分かりました。選べる方がいい。(選択展示は)進める方向で考えています」

展示スペースは、2028年度の完成を目指しています。