クマによる人身被害の発生です。
10日午前、岩手県雫石町の林で70代男性の遺体が発見されました。
警察は遺体に引っかかれた傷があり詳しく調べた結果、男性がクマに襲われ亡くなったと断定しました。

(江幡平三郎記者)
「男性がクマに襲われたとみられる林です。農業用水が流れ、笹が高く生い茂っています。またしても人々の生活圏のすぐそばでクマによる被害が発生しました」
亡くなったのは雫石町西根の無職、藤原与𠮷さん71歳です。
警察によりますと藤原さんは、9日からキノコ採りに出かけたまま帰宅せず、10日の朝に捜索していた警察が午前7時すぎに雫石町長山の林で引っかかれた傷のある藤原さんの遺体を発見しました。
警察は遺体の状況を詳しく調べた結果、藤原さんがクマに襲われて亡くなったと断定しました。
現場周辺ではここ数日クマの目撃が相次いでいて、7日には現場から南におよそ1キロメートル離れた場所で親子とみられる3頭のクマが目撃されていました。

付近には、わながしかけられ、けさ成獣とみられる1頭のクマがかかっていたということですが、被害に関係するクマかどうかは分かっていません。
現場は葛根田川沿いの林で、付近には民家が点在し住民は不安を口にしています。

(近隣住民)
「畑とかいろいろやっている所もあるのでいずれは出るかとは思っていたけど、
まさか人が襲われるとは思っていませんでした」
県内ではクマによる人身被害が深刻となっています。
8日には北上市和賀町の山林で損傷の激しい遺体が見つかりました。
遺体には引っかかれたような傷があり、クマに襲われた可能性が高いとみられています。

県自然保護課によりますと、2025年度8月末時点の県内のクマの出没件数は3478件で、すでに2024年度の件数を上回っています。
また同じ時期までの件数を過去と比較すると、2020年度以降で最も多い件数となっていて、クマと遭遇する危険は高まっています。
県は10月と11月を秋のクマ被害防止強化月間としていて、山に入る際はクマ鈴やラジオなど音の出るものを常に鳴らすことや、クマスプレーなど撃退グッズを常備することを呼びかけています。