今年8月の記録的な大雨を受け、熊本市は、自家用車などを失った市民に「共通乗車券」を交付しています。

全国でも珍しいというこの取り組みですが、現状の成果や課題を取材しました。

記者「市電やバスを無料で利用できる共通乗車券。中央区の受け付け窓口は市役所14階に設けられています」

今年8月の大雨では、車が水没する被害が相次ぎ、日本損害保険協会によりますと、熊本県内では今年8月29日時点で、車両保険の支払い見込みの台数が1万2236台に上っています。

こうしたことから、熊本市は、日常生活を支援しようと、9月12日から「共通乗車券」などを交付し始めました。

これは市独自の支援策で、自家用車やバイクが被災した市民に対し、年内まで使える40回分の回数券を交付します。

これを使えば熊本市電(路面電車)や路線バスなどは無料、タクシー料金は300円割引で利用できます。

全国で大雨被害が相次ぐ中、市の担当者は「全国初の取り組みではないか」と話しています。

交付を受けた市民「車がいつ納車されるかわからないので、生活していかなければならないので助かります。明日から使います」

市は対象の市内在住者を約4000人と見込み、6000万円の予算を計上しました。

ただ、課題もあるようです。

申請者は10月5日時点で955人にとどまっていて、市議会議員からは、制度の周知の徹底や申請期間の延長を求める声が上がっています。