アメリカでは連邦政府の予算が失効し、7年ぶりに政府機関の一部閉鎖が始まりました。すでに、政府が管理する観光施設などが利用できなくなっていて、今後、交通機関への影響も懸念されています。

アメリカ バンス副大統領
「閉鎖が数週間も長引くなら、生活に必要な基本的サービスをみなさんが確実に受けられるよう、できる限りのことをする」

アメリカ連邦政府の予算失効により始まった政府機関の一部閉鎖。医療保険制度などをめぐって、与党・共和党と野党・民主党が議会で対立し、新たな予算を成立させられないのです。

民主党 ジェフリーズ下院院内総務
「私たちは生活費の高騰を下げ、アメリカ国民の健康を守るために戦っています」

75万人に上る連邦政府職員が自宅待機となる見通しで、観光地などでは早くも影響が出始めています。ホワイトハウスからほど近い、ワシントン記念塔に行ってみると。

記者
「入り口には張り紙がしてあり、きょうは中に入れないと書いてあります」

閉鎖の影響で職員が出勤せず、休業となっていました。

観光客
「全て閉まっています。チケットを買って楽しみにしていたのにガッカリです」

さらに深刻な影響が懸念されているのが交通機関で、前回、政府機関が一部閉鎖したおよそ7年前は。

記者(2019年1月)
「ニューヨークのラガーディア空港では管制塔の職員が足りず、遅れが生じていて、利用客からは戸惑いの声が上がっています」

このときは管制官などの不足により、全米で飛行機の遅延が相次ぎました。

今回は、今のところ大幅なダイヤの乱れは起きていません。ただ、航空会社の業界団体は「閉鎖が続けば数百万人の国民が負担を感じることになる」とし、大きな混乱が起きると警告しています。

空港利用客
「きょう、空港職員は無給だそうです。今の政治にはストレスを感じます」
「往復チケットを持っていますが、帰ってくる1週間後の状況が心配です」

さらに、雇用統計などの経済指標の発表も延期される見通しで、経済面での混乱も予想されるほか、日常生活への影響も心配されています。

アメリカ トランプ大統領(9月30日)
「政府機関閉鎖の間に、民主党にとって取り返しのつかない好ましくないことを実行することもできる。大幅な人員削減などだ」

トランプ大統領は「政府機関閉鎖の責任は野党・民主党にある」とけん制しています。

しかし、1日も、議会では予算採決に必要な動議が否決されるなど事態打開の気配はなく、問題は長期化する可能性もあります。