熊本市西区の島田美術館で開催されているのは、「安南茶碗」の企画展です。「安南」とはある国の古い呼び名ですが、実は熊本とも古くからつながりがある国です。

この企画展では、シンプルな佇まいのものから、美しい模様をあしらったものまで、14世紀から15世紀に作られたものを中心に約80点が並びます。

「いろんな手仕事が素晴らしい国なんですよ」

自らのコレクションを公開した舛田誠二さんです。

「手仕事が素晴らしい」と舛田さんがほれ込んだ国「安南」とは、今のベトナムです。

その魅力は戦国時代の大名の心もつかんでいたようで…。

舛田誠二さん「加藤清正もベトナムにすごく関心を持っていていて、ベトナムの王様に『貿易をしませんか』と手紙を出しているのです」

舛田さんによりますと、ベトナムでは茶器としては扱われていなかった器が、日本の茶人たちの目に留まり、流行したのだとか。

舛田さん「当時の日本の大名にとってベトナム(安南)は憧れの国だった。『俺は安南の茶碗を持っていてこれで茶を飲むんだよ』というのがステータスだった」

会期中はこうした貴重な品を使った特別な茶会への参加ができるほか、併設するカフェでは模造品で抹茶を提供します。

舛田さん「普段はそういうことはしないのですが、今回は特別に企画したので、思い出に残るのではないかと思います」

この企画展は、12月22日までです。