香川県が解体を決めている旧県立体育館について、高松市議会は、工事の手続きの保留などを県に求めるよう民間団体が提出した陳情を「不採択」としました。
陳情は今月22日の総務常任委員会で審査が行われ、きょう(26日)の市議会最終日で結果が報告されました。
(総務常任委員会 杉本勝利委員長)
「(委員会で)採決を行った結果、挙手少数で不採択と決定しました」

世界的建築家、丹下健三が設計し「船の体育館」と呼ばれる旧県立体育館です。民間の建築家らでつくる「再生委員会」は、建物と敷地を買い取り、ホテルなどに再生させたいと提案しています。陳情は、解体工事の保留と協議の実現を、市議会から県に求めてほしいと出されていたもので、委員会では9人の議員による採決の結果、賛成4、反対5で「不採択」となりました。「市議会としては意見をしかねる」「安全性が担保できない」などの声があったということです。
(太田安由美市議)
「解体という選択肢になっても、改修や利活用という選択肢になっても、透明性を確保した議論が必要です。陳情を採択し、再度、県民に開かれた形での専門的な検証がなされるべき」

委員会の報告に対し「陳情を採択すべき」との意見が出された後、本会議で採決が行われました。
(高松市議会 坂下且人議長)
「不採択と決することに賛成の諸君の起立を求めます」
不採択とすることに賛成多数で、議会は陳情を採択しませんでした。再生委員会の長田委員長はRSKの取材に対し、「民意の受け皿がどこにもなく、非常に残念。今後は住民訴訟なども選択肢として検討したい」としています。
