山口県岩国市のアメリカ軍岩国基地で行われている激しい騒音を伴う空母艦載機の訓練・FCLPを19日、村岡知事が視察しました。村岡知事は「大変遺憾に思う」と述べ、引き続き中止を求めていく考えを示しました。

午後1時半ごろ、村岡知事は基地の近くで岩国市の福田市長と視察しました。

FCLPは洋上の空母に着艦するパイロットの技術を維持するために必要な訓練です。滑走路を空母の甲板に見立て、着地と同時に再び上昇するもので、激しい騒音を伴います。

村岡嗣政知事
「何機かが同時に?」
福田良彦岩国市長
「はい、3機もしくは4機でこの2日間、飛んでます」

通常は東京の硫黄島ですが、今回は噴火の影響で岩国基地で行われています。期間は17日から今月26日までで、時間は午後1時半からと午後6時45分からのそれぞれ3時間と通告されています。

村岡知事
「FCLPについては、県とまさに市のほうで中心的になってこれまで実施しないように強く求めてきたところですけれども、そうした要請にも関わらず、実施されたことを大変遺憾に思っています」

あまりのごう音で、インタビューは何度か中断する事態になりました。岩国市によると18日、FCLPに関連する飛行は181回でした。最も大きかった騒音は午後4時23分に尾津町で観測した92.7デシベル。騒音への苦情は175件で、前日より96件増えています。

村岡知事は「想像よりも大きな、体に響く強い音で驚いた。多くの市民から苦情が寄せられるのは当然のことだと思う」と感想を口にしました。

村岡知事
「しっかりとこれから市ともよく連携しながら、引き続き中止を求めていきたいと思いますし、二度と実施がされないように強く求めていきたいとそのように考えています」

訓練について「常態化はあってはならない」と国やアメリカ軍に訴えていく考えを示しました。

記者「通告された午後4時半を過ぎましたが今も訓練が行われています。3日連続での時間外の訓練となります」

きょうも昼の訓練は予定の終了時刻が守られず、午後4時55分まで続きました。

岩国市の福田市長は昨夜も訓練を視察し、滑走路から約2キロ離れた公園などで騒音の大きさを確認しました。実施しないよう求めたにも関わらず訓練が行われたことについて「大きな憤りを禁じ得ない」と述べました。

福田市長
「繰り返し繰り返しタッチアンドゴー、離発着を繰り返す訓練は。市民の方々も非常に驚かれている。非常に市民生活に影響が出てるんじゃないかと感じてます」

17、18日と2日続けて通告の予定時刻を超えて訓練が行われたことに、強く抗議したいとも述べました。騒音の状況や市民の苦情を分析し「国に言うべきことは言っていきたい」としています。