健康志向の高まりで、あえて「飲まない」人も増える中、存在感を増しているのが「ノンアルコール飲料」です。お酒の味を忠実なものから専用の炭酸水まで各社、それぞれ工夫を凝らして新たな商品を投入しています。

にぎやかな声が響く都内のバー。お酒を手に盛り上がっているかと思いきや…

「ノンアルのレモネードです」
「ノンアルのジンです」
「0%です。私お酒飲めない」

ビールもワインも、カクテルも。この店で扱う“お酒”の7割がノンアルコールなんです。

「ノンアルコールなので当たり前ですけど、次の日もクリアな思考のまま行ける」

CafeMARUKU 桜井鈴茂さん
「お店をやってみると意外とみんながみんな呑兵衛ではなくて、あんまり酔いたくないとかちょっと弱いとか、でもこういう場を求めている人が結構いる」

“あえて酒を飲まない”選択をする人が増えているのです。

実際に、健康志向の高まりなどを背景に、ノンアル飲料の市場は2009年と比べ、およそ7倍にまで拡大しました。「飲まない」人を狙ったシェア争いがいま、激化しています。

キリンビール 木村正一さん
「キリンビールの原点、ラガービール製法に立ち戻る」

キリンが原点に立ち返るとしたノンアルビール。開発には4年をかけ、醸造したラガービールからアルコールを抜いて作る「脱アルコール製法」を採用。

キリンビール 木村正一さん
「ビールを飲んだ時の嬉しさ、これをノンアルコールで再現していく」

ビールにどれだけ近づき、満足感が得られるか。それぞれ独自の技術を惜しみなく投入しています。

サントリー 水口伊玖磨さん
「まるでビールを飲んでいるような気持ちになっていただければ」

サントリーも来週、15年ぶりとなる新しいノンアルビールを投入。蒸留した原酒からアルコール分を抜いて、こちらもビールのような飲みごたえを再現。

サントリー 福本匡志ノンアル部長
「我慢のときの選択肢だけではなく、ポジティブな選択肢に変えていく」

さらに「ノンアル」強化の動きは、ビールだけではありません。アサヒビールが投入したノンアルコールのカクテル。「夜専用炭酸水」として差別化を図り、普段、お酒はちょっとという人の需要を掘り起こす狙いです。

バーでも聞かれたのが…

「お酒を飲みたいというより、こういう雰囲気が好き」

お酒がなくても、飲んだ気分・雰囲気は楽しみたい、そんなニーズを掘り起こしてノンアル市場は今後も拡大しそうです。