値上がりが続いている日経平均株価、きょうも取引時間中の最高値を更新しましたが、一転、値下がりして取引を終えました。きっかけは日銀の決定からでした。

「今、250円安です」

午後、株価の急落を受け対応に追われる証券会社。しかし、午前中は…

「日本もきょう、続伸している」

株価は上昇していました。きょうの取引開始直後から上昇し、4万6000円まであと150円あまりと、きのうに続き、取引時間中の最高値を更新しました。

特にアメリカの半導体大手「エヌビディア」によるインテルへの出資計画が好感され、ハイテク関連株が幅広く買われました。ところが、午後、事態が急転します。

日本銀行が0.5%の政策金利の現状維持を決めるとともに、時価ベースでおよそ70兆円保有するETFなどを年間6200億円程度のペースで市場へ売却する方針を決めました。

これが市場に伝わると、このところの過熱感も相まって東京市場は全面安の展開に…

株価は一時800円以上下落し、取引時間中の最高値との差は実に1300円以上となりました。

日本銀行 植田和男 総裁
「特定の株価水準等を念頭においての判断ではございません。ETF等を売却する局面では市場に対するかく乱的な影響を極力回避するように少しずつ処分を進めていくことが適切だと考える」

結局、株価はきのうより257円安い4万5045円で取引を終えています。

日銀の“予想外の一手”により乱高下の一日となった日経平均株価。ある市場関係者は「この下落は許容範囲」としていますが、株価の過熱が意識されているなか、いったん市場を冷やした形です。