山口県岩国市のアメリカ軍岩国基地で17日から行われている空母艦載機のFCLP・陸上での模擬着艦訓練を、岩国市の福田良彦市長が18日夜、視察しました。

この日の訓練は通告されていた開始時刻より10分早い午後6時35分ごろから始まりました。福田市長は滑走路が見える基地北側の市道から訓練を視察し、空母艦載機がごう音を立てながらタッチアンドゴーをする様子などを確認していました。滑走路からおよそ2キロ離れた公園でも騒音の大きさを確認しました。

岩国市は「FCLPは激しい騒音で市民生活に影響をもたらすため、岩国基地でのFCLPは容認できない」との姿勢を取っていて、今月16日には防衛省などを訪問してFCLPを実施しないようアメリカ軍に求めてほしいと要請しました。それにもかかわらず訓練が実施されたことについて「大きな憤りを禁じ得ない」としました。

福田良彦 岩国市長
「繰り返し繰り返しタッチアンドゴー離発着を繰り返す訓練は、市民の方々も非常に驚かれている非常に市民生活に影響が出てるんじゃないかと感じてます」

また訓練を認めたわけではないが、当初の国の説明と違い2日続けて通告の予定時間を超えて訓練が行われたことには強く抗議したいと述べました。今回の訓練をきっかけに岩国基地でのFCLPが固定化するのではないかという懸念は持っているとしたうえで、騒音状況や市民の苦情をしっかりと分析し、国に言うべきことは言っていきたいとの考えを示しました。

18日は昼の訓練が終了予定時刻を約1時間超えて行われました。市がまとめた実施状況によると、18日のタッチアンドゴーなどFCLPに関連する飛行は181回、最も大きかった騒音は午後4時23分に尾津町で観測した92.7デシベルでした。市に寄せられた騒音に対する苦情は175件で、前日より96件増えました。