アメリカ軍の空母艦載機による陸上での模擬着艦訓練FCLPが17日、山口県岩国市の岩国基地で始まりました。

FCLPは滑走路を空母の甲板に見立てた空母艦載機の模擬着艦訓練です。

9月1日、東京の硫黄島が噴火したため、アメリカ軍は防衛省を通じて「岩国基地で行う」と通告していました。岩国市や県は「容認できない」ときのう、国やアメリカ軍に実施しないよう求めています。

岩国基地での実施は25年ぶりで、岩国市によると前回(2000年)は2日間で426回のタッチアンドゴーがあり、騒音への苦情が141件、寄せられました。

当時の岩国市長の井原勝介さんは、FCLPを容認しないという市や県の立場を無視して実施した今が正念場と言います。

元岩国市長 井原勝介さん
「滑走路が沖合に1キロ出てますけど、体に響き渡るごう音で、とても市民生活と共存できるものではない。絶対にここでやってはいけないと改めて思いました」

基地の機能強化に反対する市民団体の代表、久米慶典さんは機体が大きくなり出力が上がった分、騒音も大きくなったと指摘します。

瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク 久米慶典共同代表
「今まで経験してますけど確かにすごい音で、これが続くという苦痛、あと1週間続くと思うとやるせない気持ちです」

市民からは不安の声が聞かれました。

岩国市民
「そもそも硫黄島でやってたんでしょ、こういう市街地でやるのはそもそもおかしいですよね」

岩国市民
「ふだんの生活でも、夜も子どもが寝る時間とかも(騒音が)続いていたりすることもあるので、困るかなと思います」

昼は午後4時半までとの通告でしたが、訓練は4時50分すぎまで行われました。

訓練の期間は土日祝日を除く、9月26日までです。