アメリカ軍の空母艦載機の陸上での模擬着艦訓練・FCLPについて、今月17日から26日まで岩国基地(山口県岩国市)で実施することを国が市に伝えました。福田良彦市長は実施しないよう求めました。
12日、中国四国防衛局の深和岳人局長が福田市長に伝えました。
中国四国防衛局 深和岳人 局長
「今月1日に発生した硫黄島噴火が、現在も継続している。人員、物資、航空機への影響が大きいことから、硫黄島での実施を断念せざるをえず、少ない準備期間でも支援が可能な岩国飛行場で実施せざるをえない」
岩国基地には先月下旬に空母艦載機が帰還していて、FCLPは今月17日から26日まで行われる予定です。時間は午後1時半から4時半と午後6時45分から9時45分までとしていて、騒音などの被害が予想されます。
FCLPは空母が横須賀に入港する主に毎年5月に艦載機が行う訓練で、東京都の硫黄島で実施されます。FCLPは空母艦載機が滑走路を空母の甲板に見立てて離着陸を繰り返す訓練で、激しい騒音を伴います。そのため、市は岩国基地でのFCLPは認めないとの立場を取っています。
しかし、岩国基地は毎回、天候などの理由で硫黄島が使用できない場合の予備施設に指定され、市は岩国基地を使わないよう国に要請してきました。
福田良彦 岩国市長
「これまでの基地政策の基本姿勢に照らし合わせまして、今回のそういった激しい騒音をもたらすFCLPにつきましては、岩国実施は到底認められないというこういった考えに変わりはありません」
福田市長は、岩国基地で実施しないようアメリカ側に伝えてほしいと要請し、今月16日には上京して関係省庁に文書で要請をする考えです。
岩国基地では1999年と2000年にFCLPが夜間にかけて実施され、市民から騒音への苦情が出ていました。
また、県に対しても中国四国防衛局から説明があり、田中康史理事は「周辺住民の負担が増すため、実施しないよう強く要請した」としています。